あまりの迫力に訪ねたくなりました
実は今回の神社のご神木は、知人がウェブに掲載していたのを見てどうしても訪ねたくなりました。場所は、筆者が過去に何度も足を運んでいた秩父ですが、このご神木に出合ったのは今回が初めてです!
ご神木の前に、まずは龍神様について
龍神。文字通り龍の神さまのことですが、実は龍神にはイロイロな種類があるのです。日本の神社や寺院で祀られ各地の伝承などでも知られているものには、九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)、仏教由来の八大竜王(八大龍王)などが知られるほか、陰陽道の四神として知られる青龍、さらに龍神さまには、白龍、黒龍、金龍、赤龍(紅龍)、黄龍と色によって区別があるともされています。さて、そんな龍神様のなかでも、この今宮神社は八大龍王神がお祀りされているのです。
秩父今宮神社には龍神さまが祀られる3つの条件が
神社のパンフレットによると、龍神さまが祀られるには3つの条件が必要とか。その一つが、霊山(秩父では「武甲山(ぶこうさん)」)。二つ目は洞(ほら)。これは、岩洞や樹洞のことです。そして三つ目は、湧き水(今宮神社の龍神池)。この洞が秩父今宮神社の大きなケヤキにありました。このケヤキは樹齢1000年以上。千年欅とも呼ばれていますが、ケヤキの洞の中に龍王の姿が現れてからは「龍神木」と呼ばれ、埼玉県の天然記念物に指定されています。
八大龍王神とは
この秩父今宮神社、あの役行者(えんのぎょうしゃ)、別名では役小角(えんのおづね)とも関係が深い場所。ちなみに役行者とは、古神道、仙道、道教、仏教の行学を修め、各地に霊山を開いた修験道の開祖とされ、この秩父今宮神社に八大龍王神を祀った人物として知られています。この八大龍王神は「水を司どる神」として知られ、秩父霊場を開いたとされています。また、神仏両方の力がある神だとも言われています。
パワースポットとしても人気が
この秩父今宮神社、龍神木には龍王のお姿が見られることでも知られ、パンフレットの中にはそのお姿の写真も(残念ながら筆者は気が付きませんでした……)。この龍王のお姿は、奇跡のひとつです。また、ネット上では龍神木の根元にはハートの形をした穴があり、見つけることができると恋愛が成就するとされています。来年2024年は龍年! 龍にちなんだ神社にお参りするとさらに運気アップにつながるかも知れませんね!
- 『秩父今宮神社』:埼玉県秩父市中町16-10 秩父鉄道「御花畑駅」より徒歩約7分、西武鉄道「西武秩父駅」より徒歩約10分
(植物文様研究家・グリーンアドバイザー 藤依里子)