シリブカガシ

オニガシ属 シリブカガシ
学名： Lithocarpus glaber

〔基本情報〕
高さ15m、幹径50cmにもなる常緑高木。
幹は直立し、樹皮は灰黒色で、縦に皮目の列があります。
若い枝には黄褐色の短毛が密にはえます。
葉は互生する単葉で、長さ8～12cmの長楕円形となり、厚く、表面に光沢があります。
葉の裏面は淡い褐色～銀灰色に見えます。
葉の縁は全縁または先端近くに波状の鋸歯が出ます。
花には雄花と雌花があります。
雄花序は長さ6～9cmの尾状花序で、新しい枝の葉腋に数個が斜上してつきます。
雌花序は長さ5～9cmの尾状花序で、新しい枝の上部の葉腋につきますが、雌花序の上部にはしばしば雄花もつきます。
雄花・雌花とも淡い黄褐色で小さく、花被は6裂します。
果実は長さ2cmで楕円形の堅果（どんぐり）で、翌年の秋までに褐色に熟します。
殻斗（どんぐりの帽子）は椀状で、総苞片は瓦重ね状に並びます。
堅果の基部、殻斗との着点はくぼみます。

〔利用〕
どんぐりには渋味があまりないため、アク抜きを必要とせず、そのまま炒って食用にできます。
材は建築材、器具材、木炭の原料などにされます。

〔栽培〕
増殖は実生によります。
どんぐりは乾燥させると発芽率が落ちるので、とりまきにするか、春まで湿らせて保存します。
植栽適地は関東地方より南です。
日当たりと風通し、水はけがよく、やや湿り気のある肥沃な土壌を好みます。
施肥は寒肥として有機肥料、秋に緩効性化成肥料を施します。
病虫害としてはカイガラムシがあります。

〔備考〕
堅果のお尻がくぼむのでこの名があります。