神聖な神社でパワーもいただきたい!
日本各地には、神社やお寺をはじめ場所によってはシンボルツリーとして、願いを叶えてくれる、パワーがもらえるとされているご神木と呼ばれる木が数多く存在しています。これは、運気、邪気、勇気、弱気、強気などの“気”と“木(樹)”を掛ける語呂合わせだったり、願いを叶える力もあると信じられているからでしょう。
今回ご紹介するのは、その昔ヤマトタケル(日本武尊)が千駄木の地に創祀したと伝えられる古社、根津神社です。
総たる歴史を持つ古社だからこそ強いパワーを得ることができるのかも…
根津神社は、文明年間(15世紀)には太田道灌が社殿を奉建。また、五代将軍徳川綱吉も世継が定まったときに社殿を奉建し、千駄木の旧社地より御遷座したことで知られる神社です。なんだか、歴史の教科書に出てくる名前がたくさん出てきて驚きです。
神社のご祭神は、須佐之男命(スサノオノミコト)、大山咋神(オオヤマクイノカミ)、誉田別命(ホンダワケノミコト)さらに大国主命(オオクニヌシノミコト)、菅原道真公とこちらもどこかで聞いたことがある名前ばかりなので、これだけでも由緒正しき神社だということがわかります。そのため厄除けや厄払い、縁結び、商売繁盛、合格祈願などのご利益があるとされています。神社の方に「ご神木はありますか?」と尋ねてみたところ、「この神社の境内にあるものはすべてご神木です。あえてこれと言うなら、カヤの木です」とひときわ大きなカヤの木を教えてくださいました。
ご神木は縁結びのカヤの木
それは社殿前にあり、周囲には絵馬やおみくじが多数奉納されているカヤの木。なんでも、神使の白蛇が住処とし、人々の願いごとが不思議と叶ったとされたことで「願掛けカヤの木」と呼ばれているのだとか。
ちなみに、白蛇が住処にしているカヤはイチイ科カヤ属の常緑針葉樹で、漢字では「榧」と書き、イチョウ同様に雌雄異株。種子はあく抜きをし食用にすることができるほか、漢方では榧実(ひじつ)と呼ばれ虫下しなどに効果があるとされています。余談ですが、このカヤの実の入った『かや飴』は山梨県の郷土菓子になっています。
春のツツジも圧巻
根津神社の木々の見ごたえはカヤだけではありません。なかでも境内にある約2千坪のつつじ苑では、約100種3000株のツツジを見ることができ、見ごろの4月中旬から下旬にかけては多くの見物客でにぎわう場所になります。種類によって花期が異なるため、早咲きから遅咲きとさまざまなツツジを楽しめます。
また、販売されているおみくじも各種の花があしらわれており、なかでも月次花御札(つきなみはなみふだ)は月替りで美しい花などが描かれたもので、家の邪気を払うことができるとして毎月買い求められる方も多いのだとか。ほかにもこの歴史的建造物では随所に美しい花の彫り物を目にすることができます。
東京下町散策、ちょっと参拝
谷根千(谷中、千駄木、根津)を回るなら、ちょっと立ち寄りたい場所のひとつがこの根津神社です。周囲には懐かしい金太郎飴を売る昔ながらの懐かしいお店などもあります。まもなく年号が変わってしまいますが、ちょっと昭和へトリップしたいならオススメの場所です。
もちろん、根津神社内にある乙女神社稲荷は今も昔も女性にとっての神様で、いくつもの鳥居をくぐり抜けると邪気が払われ良縁にめぐりあえるとされています。素敵な出会いを求めるならぜひ!
- 『根津神社』:東京都文京区根津1-28-9
(写真・取材/グリーンアドバイザー・開運文様研究家 ふじえりこ)