日本各地には、神社やお寺をはじめ場所によってはシンボルツリーとして、願いを叶えてくれる、パワーがもらえるとされているご神木と呼ばれる木が数多く存在しています。
今回は秋葉原駅近の柳森神社境内で見つけた桜をご紹介しましょう。
御衣黄(ギョイコウ)桜って?
ギョイコウ、花の色は淡緑色から白色、そして花弁の中央に紅色の線が現れます。花の時期はソメイヨシノよりずっと遅く、4月の中旬頃~ゴールデンウィークが見ごろです。ちなみに、この桜は沖縄県を除く日本各地の100か所くらいで見ることができるとされていますが、都内では大変珍しいらしく、なぜこの神社にあるのかは説明書きをご一読を。
柳森神社ってどんな場所?
さて、御衣黄桜がある柳森神社は小さな神社ですが、調べてみると由緒正しき神社のひとつ。なんと、烏森(からすもり)神社、椙森(すぎのもり)神社にならぶ江戸三森(えどさんもり・えどさんしん)の一社。そしてその始まりは、長禄2年(1457)、あの太田道灌(おおたどうかん)が江戸城築城時に、城郭鬼門除けのひとつとして京都伏見稲荷大明神を勧請(かんじょう)し、多くの柳の木が植えられたことから社号の柳森神社の由来になっているのだそうです。
しかし、現在神社内に柳の木はあまり見ることはできません。これは、万治2年(1659)の神田川堀割の際に、境内にあった多くの柳が堀の土手に移植され、現在の場所に移されたからだとされています。ちなみに、御祭神は倉稲魂大神(くらいなたまのおおかみ)です。文字通り、稲の精霊が神格化され、五穀、食物をつかさどる神のひとりとして知られています。
また、境内には通称お狸さんで知られる福寿社があり、こちらは五代将軍綱吉の生母桂昌院が江戸城内に創建したものだとされています。そのため、境内にはお狸さんとお狐さんがあったりします。その他、千代田区の有形民俗文化財に指定されている13個の力石群もみることができます。
もちろん、多数のご利益もあり
実はこの神社1カ所だけで、多数の神々に出会える場所として都内のパワースポットのひとつとしても知られています。境内には幸神社、福寿狸姫社、金刀比羅神社、水神厳島大明神・江島大明神、秋葉大神、明徳稲荷神社と計6つの祠(社)があります。そのため多種多様なご利益も期待できますが、やはりお狸さまといえば「たぬき」という言葉から『他を抜く』に通じ、勝負運、出世運を。また、タヌキは親子で仲良く暮らす動物であることから家族円満の願いを込めることができるのだとか。
- 『柳森神社』への行き方:岩本町駅A2出口より徒歩3分、秋葉原駅より徒歩5分
(写真・取材/グリーンアドバイザー・開運文様研究家 ふじえりこ)