日本各地には、神社やお寺をはじめ場所によってはシンボルツリーとして、願いを叶えてくれる、パワーがもらえるとされているご神木と呼ばれる木が数多く存在しています。これは、運気、邪気、勇気、弱気、強気などの“気”と“木(樹)”を掛ける語呂合わせだったり、願いを叶える力もあると信じられているからでしょう。
今回は都内にある芝浦妙法稲荷神社のご神木「ザクロ」をご紹介します。
ご神木、発見!!
「最近、ご神木の記事がこないゾ~」と編集部からのお声に「ご神木、ご神木……」と唱えながら街歩きをしているときに、偶然見つけたのがこのザクロです。場所は開発がドンドン加速している田町。
ちなみに、このお稲荷さまは東京倉庫運輸株式会社の敷地内にザクロの木と共にあった祠を、昭和46年(1971)倉庫改装のためにこの場に移転。そのときたまたま廃社になってしまった芝浦3丁目にあった芝浦稲荷から、お社とお狐2体、灯篭2基、手洗い1基などを貰い受ける運びになったそうな。
竹芝橋稲荷は、法華経有縁の稲荷であったことから「芝浦妙法稲荷」と名付けられそうです。ザクロのご神木としての謂れは、女の神である鬼子母神と関係が深いことなどから、どうやら稲荷のご本体も女神である姫稲荷と考えられるようになり、小さいながらも妙法稲荷の本山にひとつに位置づけられているお稲荷さまであるとのこと。
お稲荷さまに釈尊座像も融合!
その後(1982年8月)ブロンズ製金色の釈尊座像が祀られるようになり、神仏混交を具体的に表現した場所に。1987年5月にネパール国スアワンプ・ヤート寺(通称:目玉寺)より仏舎利が、という経緯からお稲荷さまの上を見上げると、なんとお釈迦様にも出あうことができるという不思議な空間になりました。
不思議な色のザクロの花でした
筆者は写真のようなザクロの花を見ることができました。通常のザクロの花とは違い、とても華麗な感じがしました。
ザクロがなぜ女性のための木と呼ばれているというとその薬効にあるようです。ザクロの熟して裂けた果実、果皮、そして幹皮、さらに根皮を天日で乾燥したものは生薬として知られ、中国では女性の疾病の治療に用いられてきたことが知られています。果実は血液を浄化、またタネには女性ホルモンとしても知られるエストロゲンが含まれているからだと考えられています。
ちなみに、ザクロの繁(はん)には、挿し木が一般的。だからといって、人様の敷地のザクロやご神木のザクロを勝手にポキリ、は絶対にNGですよ!
エバーグリーン編集部オススメサイト
- 『芝浦妙法稲荷神社』への行き方:山手線田町駅下車 徒歩9分
(写真・取材/グリーンアドバイザー・開運文様研究家 ふじえりこ)
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