植物図鑑
ザクロ
ザクロ属
ザクロ
学名:
Punica granatum
〔基本情報〕高さ7mほどになる落葉小高木。
若い枝には4つの翼がありますが、のちに脱落します。
葉は対生する単葉で、全縁、表面に光沢があります。
花は新枝の先に1~数個つき、ふつう朱赤色の6弁花です。
花を包む萼は革質でかたく、先は5~8裂し、基部は漏斗状になります。
花は園芸品種によっては白色、絞りや咲き分けとなるもの、八重咲などもあります。
一般に八重咲や変わった花色のものを花ザクロと呼び、果実を利用するものを「実ザクロ」と呼びます。
果実は球形でふつう明るい紅色、果皮はかたく、上部に萼が王冠状に残ります。
果実は熟すと不規則に裂開します。
果実の中には多汁質の種皮に包まれた種子が多数含まれます。
〔来歴〕有史以前から栽培されている古い果樹。
紀元前2500年のエジプトのレリーフにも描かれています。
神話や宗教とのかかわりも深いです。
日本へは10~11世紀ごろに中国から渡来したといわれます。
〔利用〕多汁質の種皮は甘酸っぱく、そのまま食べたり、ジュースやシロップなどに加工されます。
樹皮、根皮、花、果皮を薬用とします。
材はかたく、床柱などに用いられます。
〔栽培〕増殖は実生、挿し木、接ぎ木によります。
やや寒さが苦手でどちらかというと暖地向けの植物です。
日当たりと水はけ、水もちがよい弱酸性の場所を好みます。日当たりが悪いと花つきが悪くなります。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水を与えます。庭植えの場合は極端に乾燥が続かないかぎりは必要ありません。
施肥は新芽が出るころ(3月)と花後(7月頃)、果実期(10月頃)に緩効性肥料を施します。チッ素分の配合が高いと枝葉ばかり茂って花つきや実つきが悪くなります。
果実を収穫したい場合は早めに袋かけをおこないます。
剪定する場合、花芽は前年枝の先につくので、すべての枝を切り詰める強剪定ではなく、間引き剪定とします。
病害虫は特にありませんが、日当たりや通気が悪いとうどんこ病、カイガラムシ、アブラムシなどが出ることがあります。