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2023年1月16日

[イベント]イベントレポート:『江戸の園芸はおもしろい』〜小笠原左衛門尉亮軒 前会長退任記念講演より|エバーグリーン

江戸の園芸はすごかった!

さて、ときどき(公益社団法人園芸文化協会)会員でもあるので講演会などに参加させていただいている筆者です。今回は去る令和4年11月3日に日比谷コンべションホールにて開催された『江戸の園芸はおもしろい』と題した講演会に参加、取材してきましたので報告したいと思います。

案内に誘われて

案内に誘われて

 

小笠原左衛門尉亮軒氏とは

今回の講演者である小笠原左衛門尉亮軒(おがさわら さえもんのじょうりょうけん)氏は、1933年名古屋市生まれの園芸研究家。京都大学農学部研究生を経て、1957年名古屋園芸(株)を創業、江戸時代の園芸資料蒐集と研究に従事。園芸界随一の博学者で園芸文化にも詳しく、著書に『江戸の花競べ ― 園芸文化の到来』(青幻舎)、『江戸の園芸・平成のガーデニング―プロが教える園芸秘伝』(小学館)、『NHK趣味の園芸』(日本放送出版協会)などの著書と、さらには、NHK放送協会放送文化賞を受賞された経歴をお持ちの方。放送開始から53年という長寿番組「趣味の園芸」に半世紀近くの出演され、卓越した園芸技術とわかりやすい解説で名物講師としても有名。さて、そんな先生の講演でうかがった江戸の園芸のおもしろさとは……。

 

お話は江戸の四季を中心に美しい刷り物とともに紹介

江戸時代にどんな植物があり、どんなふうに人々が植物を楽しんでいたのか。江戸の四季を中心にしたお話でした。

お正月(一月)の門松の話からスタートし、一枚のお正月の風景を描いた刷り物をよく目をこらしてみると窓辺に鉢に入った植物が描かれていることが教示され、あらためて鉢まで美しく描かれていることに関心。

如月(ニ月)はウメ。梅の生け花が描かれている刷り物などを紹介しながら、ウメの魅力を語ってくださいました。

弥生(三月)はサクラ。ここで、『浴恩園桜譜(よくおんえんおうかず)』の紹介があり、パッと見ただけでは美しいサクラが描かれているだけなのですが、実はサクラをじっくり観察しサクラの花の裏側がわかるようにも描かれていることなどが紹介され、まさに目からウロコでした。

さらにお話は続き、今では見ることができない黄色サクラソウがあったことや、黄色いアサガオがあったことなども出てきました。また、驚くなかれ、今の温室のように江戸時代にもむろを使い植物の早咲き栽培しなどをしていたことが、その証拠となる刷り物とともに説明されました。江戸時代がいかに園芸が盛んであったことが裏付けられる貴重な資料と共に展開されました。みなさんもぜひ、氏の講演が ありましたら参加されることをおススメします。

講演会の様子

講演会の様子

 

さらに今回は

今回の講演では『園芸文化の手紙から』と題した愛知東邦大学客員教授であり、あのテレビ東京「開運! なんでも鑑定団」でもおなじみの増田孝先生が登壇。内容はズバリ古文書の読み方。で、その読み方は、まず大きな文字を読み、それから前にもどり中ぐらいの文字を読むのが作法なのだとか。ということで、2つの書状が公開されました。

こんな美しい資料を頂きました

こんな美しい資料を頂きました

 

 

おふたりの対談もありました!

そして、小笠原氏と増田孝先生のおふたりの対談。司会進行はNHK「ラジオ深夜便」の須磨佳津江さん。この対談では古文書のお話がいろいろ登場し、江戸時代の書状のなかには「花をくださいませんか」とか「美しい花ですね」など園芸にまつわりもののたくさんあるとのことでした。

古文書は文字の大きさと配置を知れば読めるとか

古文書は文字の大きさと配置を知れば読めるとか

 

公益社団法人園芸文化協会ではいろいろな催しが

さて、筆者も会員となっている園芸文化協会では、さまざまな園芸に関するセミナーなども豊富に開催しています。11月22日にも新宿御苑『新宿御苑菊花壇展鑑菊会2022』が開催されました。この会ではキクのスペシャリストとともに、栽培方法や仕立て方などのお話をたっぷりうかがうことができたことも報告します。

公益社団法人園芸文化協会
http://www.engeibunka.or.jp/
浴恩春秋両園櫻花譜(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2542399

 

(藤依里子 植物文様研究家/日本図案家協会準会員)


講演会の様子