梅まつり、まもなく
〜梅花を彩る江戸花屋敷〜と称して令和2年2月8日〜3月1日のあいだ、梅まつりが開催されます。筆者が訪れた日は梅まつりには早かったようで、今回はその情報と向島百花園についてご紹介します。
梅まつり
その昔、花見といえばサクラではなくウメだったと。そんなワケで、この寒いなか美しいウメを愛でるのは日本の心に触れることにもつながる、などといいながら訪問しました。
ここ向島百花園では、この期間にはあの葛飾北斎が描いた北斎漫画にも登場する『すずめ踊り」をはじめ、江戸の大道芸、庭さんぽ、さらに植物研究家を招いた野草ウォッチングなどを楽しむことができます。「まだ行ったことがない」という方はこの期間中に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
向島百花園とは……
四季の花を楽しむことができる庭園として知らるこの向島百花園。開設は仙台出身の町人の佐原鞠塢(さわらきくう)の手によるもの。江戸庶民の行楽の場として知られ、明治時代には天皇、伊藤博文や乃木将軍など多くの人々に愛されとされた場所です。しかしながら隅田川の洪水、東京大空襲などにより園は昔のままの姿を保つことはできなかったようですが、昭和24年に復興園地として再開され現在に至っています。ちなみに、鞠塢の辞世の句は「隅田川 梅のもとにてわれ死なば 春吹く風のこやしともなれ」が遺されています。
小さな花たちにも出合える場所
園内は実に不思議な空間です。都内のほかの庭園とは異なり、なんとも風情がある文字通り個人の庭的な雰囲気があります。1月末なのに花の香りが漂うこの場所は、まさに百花園の名にふさわしい場所といえそうです。
この日入口にはセツブンソウが飾られ、その愛らしい姿に胸キュン(歳がバレそう)。園内には地味ですが、和を感じる多くの植物が所狭しと植えられています。また、園内のおやすみ処でお茶を楽しむこともできます。予約制ですが、園内のお屋敷で食事も可能のようです。
向島ってこんな場所
最後に百花園がある向島ですが、元は花街。百花園近くには各種の神社が点在。そのため、この百花園をさらに理解したいなら、まずはすみだ郷土文化資料館、続いてすみだ北斎美術館に立ち寄ることをオススメします。さらにこの庭園の魅力が発見できるのではないでしょうか。
- 『向島百花園』:東京都墨田区東向島三丁目
開園時間:午前9時~午後5時
(グリーンアドバイザー ふじえりこ)