日本各地には、神社やお寺をはじめ場所によってはシンボルツリーとして、願いを叶えてくれる、パワーがもらえるとされているご神木と呼ばれる木が数多く存在しています。これは、運気、邪気、勇気、弱気、強気などの“気”と“木(樹)”を掛ける語呂合わせだったり、願いを叶える力もあると信じられているからでしょう。
特に、大樹や古木には、木霊と呼ばれる精霊のようなものが宿り、不思議な力を持つといわれています。今回は白山神社のご神木を紹介します。
白山神社のご神木
イチョウ以外のご神木を見つけるとなぜかホッとする筆者です(苦笑)。今回見つけたのは、なんと「サクラ」です。それも白旗桜と呼ばれているものです。このサクラは白山神社境内の八幡神社の御神木にもなっています。
その昔は江戸三名桜のひとつで、昭和10年に国の天然記念物に指定されながらも、枯死。現在はその後継樹となっています。
この樹の名「白旗桜」は、平安時代に旗をこの樹にかけ戦勝を祈願したことからそう呼ばれるようになったのだとか。また、サクラの色が白旗のように白いことからこの名が付けられたともいわれています。筆者が訪れたのは6月。残念ながらサクラの花を見ることはできませんでした。
白山神社とは?
こちらの神社は、天暦二年(948年)に加賀一の宮白山神社を武蔵国豊島郡本郷元町に奉勧請したのが始まりとなり、将軍家の信仰が厚かったことが知られています。
菊理姫命(くくりひめのみこと)、伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉冊命(いざなみのみこと)の三神が奉られています。なかでも、菊理姫は、イザナギとイザナミの夫婦喧嘩を止めたことも知られていることから夫婦円満の神、あの世とこの世とつなぐ神としても知られ、縁結びの神さまのひとりとしても有名です。筆者が訪ねたこの日は、ちょうどアジサイ祭の時期でもあり境内をはじめ隣接する白山公園などで約3,000株のアジサイを楽しむことができました。また、このアジサイ祭りの時期には普段は閉じられている富士塚も解放されるそうです。
都会の中でホッとひと息つきたくなったら白山神社。白山神社に限らず、神社やお寺の周囲には鎮守の森としてときを経て大きく育った樹々に出あうことができるスペースがあります。疲れ切る前にちょっと足を運んでパワーを充電してみてはいかがでしょうか。
- 『白山神社』:東京都文京区白山5-31-26
(写真・取材/グリーンアドバイザー ふじえりこ)