日本全国の神社やお寺、地域によってはシンボルツリーのような扱いで、願いを叶えてくれるご神木と呼ばれる木が数多く存在しています。これは、運気、邪気、勇気、弱気、強気などの“気”と“木”を語呂合わせしているのはもちろん、実際に願いを叶える力もあるからでしょう。特に、大樹や古木には、木霊と呼ばれる精霊のようなものが宿り、不思議な力を持つといわれています。今回はそんなご神木の中から明治神宮の夫婦楠をご紹介しましょう。
原宿駅からすぐの場所にある明治神宮。明治天皇と昭憲皇太后をお祀りしています。その神宮を取り巻くように茂る常磐の森は、全国から献木されたおよそ10万本を植栽した人工林なのです。その総面積はなんと70万平方メートルに及びます。例年、初詣は日本一の参拝者数、大相撲横綱土俵入り、こどもの祭などの祭典や行事、厄祓い、祈願などが行われている場所です。また、加藤清正が掘ったとされる清正井(きよまさのいど)、美しい花菖蒲園などの見どころが多数ある場所です。
「ご神木はどこにありますか?」という筆者の質問に、「神社にある木々はすべてご神木です。しかし、本殿の傍のとくに立派な2本楠の木は“夫婦楠”と呼ばれていますよ」と神官の方が教えてくださいました。近くまで行ってみると…、たしかに、大きく立派です。
看板には、この木のいわれが記されています。ちなみに、ご利益は夫婦円満、家内安全などです。多くの寺社では樹木に触れてパワーをもらうことができるようですが、この木の周囲には柵があるので、残念ながら触れることはできません。ですから、良縁を得たい、恋人や夫婦の仲を深めたい方は、社殿を参拝した後に再度夫婦楠のところから、社殿にもう一度拝礼すると強い良縁のパワーにあやかれるのだとか。
明治神宮のパワーは、“夫婦楠”の良縁パワーだけではありません。他のご神木にも、心身が清められ、精神力を高めて、人生を新しく切り開く浄化の効果があるとされています。ただし、都内のパワースポットの代名詞的な場所として知られている清正井は陰陽がはっきり出る「陰呼」でもあるため、人の気や邪念も溜まりやすいといわれるため、夕方以降や雨の日に行くのは控えるほうがよい場所なのだとか。
春休み、ゴールデンウィークも間近! 自分のパワーを今以上に高めたり、良縁祈願をしたりしたいと思われたら、ふらりとここ明治神宮に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
(写真・取材/グリーンアドバイザーふじえりこ)
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