[マルバアオダモ]別名の多いマルバアオダモ|モクセイ科トネリコ属|エバーグリーン

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今回は、丘陵帯から山地帯の陽当りのよい場所に生える「マルバアオダモ」を紹介します。

モクセイ科トネリコ属の落葉小高木で、沖縄を除く日本全国に分布します。山梨市内では、丘陵地にあるブドウ畑周辺の雑木林や森林セラピーロード“牧丘巨峰の丘ロード”沿いの雑木林などでふつうに見られます。共通していることは、陽当たりが良い斜面で水捌けがよく、比較的肥沃な土壌であることです。漢字では「丸葉青梻」と書きます。別名は、ホソバアオダモ・トサトネリコ・コガネアオダモ・コガネヤチダモとも呼ばれています。

咲き誇るマルバアオダモ:巨峰の丘ロード(5月上旬)

咲き誇るマルバアオダモ:巨峰の丘ロード(5月上旬)

咲き出した:巨峰の丘ロード(5月上旬)

咲き出した:巨峰の丘ロード(5月上旬)

 

上の写真のようにマルバアオダモは、細長い葉の上に白い綿が乗っているように見え、遠くからでも判別できます。近くで確認すると円錐花序になっていて、下の写真のように枝先に長さ6〜7mmの細長い白色の花弁が多数集まっているのがわかります。遠くからでも、近づいて見てもきれいな花だといつも感心します。花期は4月中旬~5月上旬と短いです。

花のアップ:巨峰の丘ロード(5月上旬)

花のアップ:巨峰の丘ロード(5月上旬)

6月になると翼果が成長して、下の写真のように形がハッキリしてきます。長さ3cm程度まで成長して、秋には熟します。

実の形がハツキリしてきた:果樹園横斜面(6月中旬)

実の形がハツキリしてきた:果樹園横斜面(6月中旬)

暖かさが本格化する時期に開花することから、森林セラピーの体験者には涼しく感じるようでガイドとしては有り難い樹木の一つです。花や葉などの香りは弱いので嗅覚の刺激には使いませんが、若い枝や成長段階の葉裏の主葉脈に生えている白く柔らかな毛などに加え花序にも触れてもらうことがあります。体験者の感想は、異口同音に『樹とは思えないソフトタッチで、すごく癒やされる!』とおっしゃいます。

マルバアオダモの謂れは、葉は写真のように丸くはなく葉の縁ギザギザがないことから、マルバの名がついたとされています。

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


 

花のアップ:巨峰の丘ロード(5月上旬)