べったら市で刺激され
少し前の話です。東京の秋の風物詩のひとつ、べったら市。そこで、とっても甘いダイコンの漬物が売られていました。関西出身の筆者は、この味は東京で覚えた味のはずなのになんだかとてもなつかしい味だったように感じたことを思いだしました。そこで、そのべったら漬けを自宅で作ってみました。べったら市では1本1,000円超え! たくさん食べたくてもお財布に優しくない……。ということで作り方を調べました。
べったら漬けのルーツは?
江戸時代中期。大伝馬町宝田恵比寿神社例祭の市にダイコンを飴と麹で漬けたものをダイコンの浅漬として売り出したのがその始まりとか。そののち、よい歯ざわりと甘い淡泊な味が東京を代表する名産品のひとつになったとされています。
ちなみにべったら市では、ダイコンが主役です。
べったらを漬け込むのは、甘酒!?
甘さが後を引くべったら漬け。自分でも作ってみたい! と思うのは筆者だけではないはず。そこで作り方です。べったら漬けを作るには、まず麹を使った甘酒が必要です。この麹甘酒は実際に家でも作ることができます(作り方はそのうち)。ちなみに、発酵食品好きの方はご存じだと思いますが、甘酒には2種類あり、酒粕を使って作るものと麹から作るものがあります。べったら漬けを作るには麹甘酒を使うため、市販の甘酒を使う場合には必ずどちらの甘酒か確認することも大切です。
用意するのはダイコンと甘酒
ダイコンを漬物にするには一度干す場合が多いのですが、べったら漬けは干さずに使います。作り方は、ダイコンを洗い、皮をむいたら適当な大きさに切り塩漬けにします。当たりまえのことですが、小さく切るほうがより早く漬かります。また、塩加減ですが、漬物は保存用と考え塩を入れすぎるとかなりしょっぱくなるため、少なめに。目安はダイコンの重さの5~10%ほど。
皮をむいたダイコンに塩をまぶして塩漬けにします。筆者はここでビニール袋を利用。このとき、昆布やタカノツメなどを入れるのもいいでしょう。ただし、昆布を使う場合は塩気を抑えるために表面をざっと拭くことも忘れずに。そのまま冷蔵に入れ、ひと晩から2日程度放置しダイコンから水分が出るのを待ちます。ダイコンから出た水分を捨てたらそこに麹甘酒を注いで、さらに2~3日放置すればできあがり。ダイコンから出た水分は塩加減によりますがスープなどに使うこともできます。食べてみて甘味が少ないと感じたら、砂糖を入れて調整を。
このとき、気温が高ければ冷蔵庫へ入れてください。
再び2~3日漬けます。
甘味が足りない時は砂糖を入れ、味を調整します。
べったら漬けの魅力はあの甘さ! 驚くほど簡単にできますので作ってみてくださいね。
(グリーンアドバイザー 藤依里子)