植物図鑑
ヤブツバキ
ツバキ属
ヤブツバキ
学名:
Camellia japonica var. japonica
〔基本情報〕高さ15mに達する常緑高木。
葉は互生する単葉で、長さ4~8cmの楕円形です。
葉には厚みがあり、表面は濃い緑色で光沢があります。
葉の縁には鈍い鋸歯があります。
花はふつう冬芽の第一鱗片葉の腋に単生(まれに双生)します。
花は径5~7cmで濃い紅色~淡い紅色、花弁はふつう5枚です。
花弁の基部と雄しべの基部が合着しているため、すぽっと抜けるように落花します。
雄しべは多数あり、下部が筒状に合着し、底に多量の蜜がたまるのでメジロやヒヨドリなどが吸いにきます。
果実は蒴果で径2~2.5cmの球形、果皮は厚く、中に大きな種子がはいっています。
果実は熟すと裂開します。
〔利用〕種子から椿油を得るほか、材は細工物などにつかわれます。
中をくり抜いた種子の殻は笛にして、子供が遊びます。
〔栽培〕増殖は実生、挿木、取木によります。
暑さ寒さに強く丈夫です。
日向~日陰まで育ちますが、西日があたる場所や暗すぎる日陰は避けたほうがよいです。
冬の北風も避けます。
水はけがよく肥沃な弱酸性土を好みます。
水やりは土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。
庭植えの場合は根づいてしまえば、ひどく乾燥しないかぎりは特に必要ありません。
施肥は庭植えの場合は1~2月に寒肥として、鉢植えの場合は9月と花後に緩効性肥料を施します。
また土壌がアルカリ性に偏ったときは生理的酸性肥料(硫安など)を与えるとよいです。
花芽は初夏~夏にできるので、剪定する場合は開花後のなるべく早い時期に行ないます。
病虫害としてはすす病、チャドクガ、カイガラムシなどがあります。
特にチャドクガは触れただけでも皮膚がかぶれるので注意が必要です。