日本各地の神社やお寺をはじめとした場所には、シンボルツリーのひとつとして願いを叶えてくれる、パワーがもらえるというご神木と呼ばれている木が数多く存在しています。これは、運気、邪気、勇気、弱気、強気などの“気”と“木(樹)”を語呂合わせや、願いを叶える力もあるからでしょう。特に、大樹や古木には、木霊と呼ばれる精霊が宿り、不思議な力を持つともいわれています。今回はそんなご神木の中から鹿島神宮のご神木を紹介します。
東国三社のひとつ香取神宮
前回ご紹介した『鹿島神宮(茨城県)』と、『香取神宮(千葉県)』、『息栖神社(茨城県)』の神宮二社、神社一社は『東国三社』呼ばれ、この三社を結ぶとほぼ直角三角形になるとされ、今でもこの三社を参拝する東国三社参りが行われています。
また、この三社はいずれも海から神様がやって来たとされることから、海に面して一の鳥居があることが知られています。なかでも、鹿島神宮と香取神宮は神宮と呼ばれるだけに強いパワーを持つといわれる場所。香取神宮では、大きな駐車場から参道正面の朱塗の大鳥居を抜けると不思議な霊気を感じることができます。
ご神木は1000年の大杉
玉砂利の参道を進み、重要文化財にもなっている三間一戸楼門を抜けると、元禄13年の幕府造営の本殿へ。その本殿近くに大きなご神木を見ることができます。鹿島神宮同様に樹齢は1,000年といわれる大きな杉の木でした。
ちなみに、香取神宮の御祭神は、家内安全をはじめ、産業(農業・商工業)指導の神、海上守護、心願成就、縁結、安産の神として知られている経津主大神(ふつぬしのおおかみ)またの御名を伊波比主命(いはひぬしのみこと)。その他にも、平和・外交の神として、勝運、交通安全、災難除けのご利益をもたらすとされています。
三本杉
ご神木ではないのですが、香取神宮には、源頼義の祈願で1本の杉が三股になったと伝えられる三本杉が知られています。この木は、最近流行りのパワースポットとしても有名で、真中の杉はなぜか空洞になっていて、そこに立つとなんともいえない不思議な気を感じることができました。
100年以上続く老舗にも……
参拝後には、100年以上続く寒香亭に立ち寄るのもオススメ。歴史を感じさせる店内からは、以前は海を見ることもできたといいます。注文を受けてから作ると名代だんごは、餡ときな粉のおだんご。昔懐かしい味を楽しむことができました。
今度の休日はどこに行こうか迷ったときは、東国三社巡りをするのもいいかもしれないですね。ご神木からもらうパワーを充電するのももちろんですが、古き良き日本の顔にも出会うことができるはずです。
- 『香取神宮』への行き方:JR「香取駅」下車、徒歩30分(約2km)
(写真・取材/グリーンアドバイザー・開運文様研究家 ふじえりこ)
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