日本で一番小さい植物園
はじめまして! 日本で一番小さい植物園:渋谷区ふれあい植物センターのスタッフ宮内元子です。ふれあい植物センターは東京都渋谷区の区立植物園。渋谷駅と恵比寿駅のちょうど中間地点にあります。温室しかないので日本で一番小さい、世界的にみても小さい小さい植物園ですが、バナナやバオバブ、アンスリウムなど熱帯から亜熱帯の植物、ミントやラベンダーなどのハーブ類など、年間を通じて約200種類の植物をお楽しみいただけます。
エバーグリーンポストでは、植物園スタッフとして、植物の楽しみ方や栽培のテクニックなどを皆様にお伝えしていきたいと思います。これからどうぞよろしくお願いします。
さて、お正月を過ぎると全国各地でランの展示会や即売会が開催されます。素晴らしい花を付けたランの株を見ると「こんなふうに咲かせてみたい!」「この花が素敵!」と夢が広がり、ついつい新しい株を購入してしまう……、なんてことはありませんか。ランの不思議な花の形や鮮やかな花色、エキゾチックな香りは、植物好きな人たちを魅了してやみませんね。
ラン栽培のコツ
ランの株を買ってしまったが、いざ自宅で栽培するとなったら、どんなポイントに気を付ければよいでしょうか。それはずばり環境です。
カトレアは最低気温12℃以上で日当たりを好みますし、シンビジュームは最低気温5℃以上で日当たりが大大大好き、バンダは最低気温15℃以上で50%程度の遮光……と、種類によって好む環境がそれぞれ違います。ご自分の栽培しているランが、野生ではどの地域に生息しているのか、その地域の気候を知り、その環境にできるだけ近づけてやることがラン栽培のコツの一つです。
とても敏感なランのつぼみ
そしてもう一つ重要なのは開花時の鉢の移動です。ついにつぼみが付き、これから開花というとき、花を楽しもうと今まで管理していた場所から室内やテーブルなどに移動させたら、つぼみが萎れて落ちてしまった経験はありませんか?
実は、ランのつぼみは環境の変化にとても敏感で、開花時に日当たりや風通しなどの環境が変化すると途端につぼみが萎えてしまうことが多々あります。ですから、つぼみ全体の数の2/3が開花するまでは移動させない。これがポイントになります。
1本の茎に5つつぼみがついたとしたら、下から数えて4つ目が開花するまでは動かしてはいけません。ランの花の開花期間は他の植物と比べると長いので、つぼみの大半が開いた後に移動させても、それからまだまだ楽しむことができますから。
丹精込めて栽培した植物はできるだけ身近において長く楽しみたいものですが、ランの場合は、すぐに移動させずに開いた花の数を数えて、グッと我慢!
皆さんのお宅のランたちが、良い花を咲かせますように。
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