今回は品川で街道松に出合ったので紹介します。
街道松って!?
その前に、まずは街道について解説しましょう。読者のなかにはすでにご存じの方もおられると思われますが、街道とは日本に昔からある街と街を結ぶ主要な道路のこと。一般的には街や集落ですが、なかには人里離れた神社や寺院を結ぶ場合もあるとされています。
その街道に植えられているマツ(松)のことを街道松といいます。そして、今回出会った街道松は、歌川広重の浮世絵でも知られる旧東海道で見ることができるものです。ちなみに、旧東海道は江戸時代の五街道の一つで、東京・日本橋から京都・三条大橋までの約513kmのことです。そして今回訪ねた品川宿には、江戸の昔から変わっていないとされる道幅が八ツ山(品川宿の最北端にあった丘陵地)の入り口から鈴ヶ森口(江戸時代に鈴ヶ森刑場があったと知られた場所)までの約3.8キロが残されており、貴重な歴史遺産ともなっています。そこに街道松があります。植えられているマツは各地の宿場から寄贈され植樹されたものだそうです。
岡場所とも呼ばれた品川宿
岡場所とは、当時唯一の幕府公認の遊郭である吉原以外の非公認の遊郭の総称です。宿場には飯盛女の名目で遊女(私娼)がおかれていたとか。塀と塀に閉ざされた吉原とは違い品川宿は東に海、反対側には御殿山などを見ることができる開放的な場所で、多くの人出でにぎわった場所だとされています。その様子は、鳥居清長などの浮世絵でも見ることもできます。歓楽街だったので旅人以外の人もたくさんいたことでしょう。
マツだけでなくイチョウも…
品川には多くの寺院や神社などもありました。なかでも法禅寺のイチョウは御神木ではありませんが、品川区指定の天然記念物とされているものでした。法禅寺は煉瓦を使ったお寺としてしても知られている場所です。
道を歩けば見えないものが見えてくる
コロナもひと段落。街歩きの会などに参加して各地の街の歴史を探りながら歩くと、見えないものが見えてきます。今回の品川歩きの帰り道、銭湯好きの筆者は黒湯で有名な天神湯に立ち寄りワンコインで温泉気分を満喫しました。ちなみに、黒湯は植物性泉とも呼び、植物の枯死体が微生物の働きにより分解されてできる無定形の物質「腐植質」が多く含まれている温泉として知られています。
(園芸文化協会会員・グリーンアドバイザー 藤依里子)