2011年、メイツ出版より出版された筆者監修の『ベランダ菜園 おいしい野菜づくりのポイント70』が、この春『ベランダで楽しむ! おいしいコンテナ野菜づくり 成功のポイント70』としてリニューアルされます。そこで、お家生活をもっと楽しくするために、ベランダやテラス、窓辺などでもラクラクスタートすることができるベランダガーデニングのテクニックをお伝えしたいと思います。
ベランダガーデニングをスタートする前に知っておきたいルール
戸建てで一軒家の場合は、借家であってもベランダは居住者の空間。しかし、集合住宅の場合ベランダは共有空間になります。そのため、ベランダは消防基準法により緊急避難場所になるように設計されています。避難通路とされる避難扉や、避難梯子の通り道は万が一の時には命を守る場所になるため、絶対にモノ置かないようにしましょう。
ベランダガーデニングでは安全性にも配慮を!
小さなお子さまがいる家庭や、そのお友だちが遊びに来る家庭、あるいはベランダで散歩をさせるペットがいる場合は、1階から隣接されているベランダやテラスならあまり気にする必要はありませんが、2階以上のベランダの場合は各種のアイテムや置き方にも注意が必要です。まず、柵の部分はすきまが大きい場合は、ネットや網を張り潜り抜けないようにする工夫をしましょう。
また、お子さまがコンテナ(鉢)やテーブル、イス、プランタースタンド、ラックなどにのぼってしまった時に、顔(頭)がベランダの柵から外に出ない高さのものを転倒や落下防止のためにも使うことが大切です。オシャレやスタイリッシュなベランダガーデンを演出ばかり考えていると安全性がおざなりになることもあるのでご注意を。
ベランダガーデニングのトラブルを避けるための注意
とくに集合住宅のベランダの場合や、戸建てであっても周囲と密接に隣接している場合は、植物を育てていると「虫が来る」「匂いがする」といった苦情につながることがあります。
そのため、肥料に関してはできれば化成肥料をおすすめしますが、有機物肥料を使用する場合は、必ず土の中に完全に埋めてください。土に埋めることで各種の微生物の働きにより腐敗臭が比較的少なくなります。害虫対策は早期発見、早期対処が大切です。
農薬の使用は、大型の植物ではないなら土にばらまくタイプがいいでしょう。散布する場合は、周囲に声をかけてからにするか、植物が入る大きめのビニール袋に入れその中でするといいでしょう。また、排水溝が詰まってしまわないように常にチェックすることも忘れずに!
美味しく!楽しくベランダ菜園 コツのコツ
なんだか、ベランダガーデニングって面倒なことばかり!? と思われてしまったかも知れませんが、園芸相談を受けているなかでも比較的トラブルの多いのがベランダ菜園です。ちょっとした工夫で周囲とのコミュニケーションにも役立ち、食卓を豊かに彩ることもできるのがガーデニングですので、ルールを守ることも忘れないようにしてくださいね。
(グリーンアドバイザー ふじえりこ)