ちょっと気になる美術館の展示が行われていますので紹介します。場所は、知る人ぞ知る、練馬区立美術館。展示のタイトルは『植物と歩く』。開催日程は2023年7月2日~8月25日(情報発信が遅くなり申し訳ない!でも、駆け込みでまだ間に合います)。筆者もやっと会場に足を運ぶことができました。
ユニークな展覧会、そのタイトルに込められた意味は
『植物と歩く』。このコレクションのコンセプトは、植物は一つの場所に留まっていながらも、根は地中に、茎や葉は地上に伸びて這い広がり、花を開かせてはしぼむ、その一生が動きに満ちているということで、植物がどのように作家を触発してきたかを探るというとてもユニークなもの。特定の作家をテーマにしているのではなく、テーマは植物。コレって植物好きなら足を運んでみたくなるとは思いませんか。
さて、実際に足を運んで一番驚いたことは、絵画ばかりではなく、牧野富太郎氏の植物図が練馬区立美術館のコレクション以外にも展示されていたということ。やはり、日本の植物学の父、牧野富太郎氏の人生をモデルした朝ドラのパワーはスゴいと感じました。牧野富太郎氏の植物図は精密な線画で、これはもうたんなる観察用の図譜といったものではなく、ある意味でそれは美術であり芸術といっても過言ではありません。科学館や博物館、植物園などとは違う美術館という場所で、ほかの画家たちの作品と並んで展示されていても違和感がないのはある意味納得です。
もちろん、日本内外の作家の作品がズラリ!
残念ながら展示室の写真撮影はご法度でしたので、気になる方は足を運んで欲しいもの。実際に行くと、美術に精通していない筆者でも名前を知っている草間彌生(くさまやよい)氏、磯村敏之氏、竹原嘲風(たけはらちょうふう)氏など多くの作家の作品が植物をテーマに、植物の観察から、1章・花のうつろい、2章・雑草の夜、3章・木と人をめぐる物語、そして、まだ見ぬ植物と5つのセクションから成り立っていました。明治末期から今日に至るまでに制作された作品が堪能できます。
えっ!? 牧野氏って練馬区ゆかりの方だったの?
朝ドラ『らんまん』をご覧になっている方はご存じかも知れませんが、実は練馬区には牧野富太郎氏が1926年(大正15年)から生涯を閉じるまで30年を過ごした住まいと庭の跡地が“練馬区立牧野記念庭園”として残されています。7月15日~9月30日まで「牧野富太郎ゆかりの地in首都圏スタンプラリー」も行われています。
牧野富太郎ゆかりの地には足を運びたくなります。
練馬区立美術館ってこんな場所
練馬区立美術館は1985年10月の開館。日本の近現代美術を中心にコレクションは7,000件以上あります。また、練馬区立美術館に隣接した「美術の森緑地」は天然芝が敷きつめられ、園内には20種類、32体の動物などの彫刻群が設置されとてもユニークな場所です。
夏休みの終わりまで秒読み開始ですが、足を運んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに、この「ぐるっとパス」があれば展示会は無料入場可!
- 『練馬区立美術館』:東京都練馬区貫井1-36-16/西武池袋線中村橋駅より徒歩3分
(藤依里子 園芸文化協会会員/グリーンアドバイザー)