小湊鉄道途中下車
今回は旅先で立ち寄った神社のご神木をご紹介します。
新型コロナの影響もあり日本全国自由気ままに旅はできないものの、近場の一人旅ならということでしっかりマスクや除菌対策をして東京から五井(千葉県市原市)、そこから小湊鉄道といすみ鉄道を使って大原へテレビの旅番組気分で出かけてみることにしました。自然を満喫しつつ車窓からの風光明媚な景色を楽しんでいたところ、「あっ! 神社発見」ということで途中下車することに……。なんと駅前に神社があったのです。駅名は小湊鉄道・飯給(いたぶ)駅。
白山は“しらやま”と読みます。
白山という文字を見ると筆者は“はくさん”と読みたくなりますが、ここの神社名は“しらやま”です。こちらの神社、弘文天皇(大友皇子)が祭神。そしてこの神社には壬申の乱にまつわる地元の言い伝えによると、皇子の三人の子どもがこの地の村人に預けられ生き延びていたのだが、十月の酉の日に追っ手に捕らえられこの神社で打ち首。その翌日から付近には白い三羽の鳩が舞うようになったため、村人たちがその場所にお宮を建て三人の子らの霊を弔った。その後、白鳩の姿は見られなくなったのだとか。それゆえ、この白山神社は別称『白鳩の宮』とも呼ばれるのだとか……。なんだかちょっと切ない伝説ですね。
そのせいか、とてもひっそりとしていました。神社にはご神木としてスギを見ることができます。とても雰囲気がある神社です。また、この神社周辺は季節によっては天の川とサクラを撮影することができるスポットとしても知られているようです。
駅前にある神社ですが、自然はたっぷり! 神社の階段を上がりながら足元を見ると、山野草に出あうこともできます。
小湊鉄道・飯給駅といえば……
実はこの駅、世界一のものがあります。それは、建築家・藤本壮介氏設計の「世界一広いトイレ」です。女性用だけなので男性の方には残念ですが。写真の通り板塀に囲まれているトイレ。ちょっと不思議な感じがします。トイレ内には大きな梅の木などもあり、シーズンにはお花見も可能なようです。
ちなみに、小湊鉄道沿線上総牛久駅にも同じ設計者による2020年11月にできたばかりのまるでテーマパークのようなトイレもありました。そのほか、同沿線の上総中野駅にはタケノコ型のユニークなトイレもあるのです(笑)。
- 『白山神社』:千葉県市原市飯給937
(開運植物文様研究家 藤依里子)