植物図鑑
ビワ
ビワ属
ビワ
学名:
Eriobotrya japonica
〔基本情報〕果樹として栽培され、高さ10mほどになる常緑高木。
横枝が開帳するため放任状態では半球形の樹形となります。
葉は互生する単葉で、長楕円形~倒披針形です。
葉の表面には光沢があり、羽状脈が著しく目立ちます。
葉の裏面には淡い褐色の軟毛が密生します。
花は枝先の円錐花序に多数つき、白色の5弁花です。
果実は偽果で丸~洋ナシ形の黄橙色、果皮にはうっすらと毛がはえます。
食用にする部分は花床が肥大したものです。
種子は大きく赤褐色です。
〔来歴〕中国では古くから栽培され、6世紀には栽培品種がみとめられます。
日本には古くに中国から渡来し、野生化したといわれています。
奈良時代に果実として利用されていますが、本格的に栽培されるようになったのは江戸時代末期に中国から大果な品種がはいってきてからです。
〔利用〕果実を食用にするほか、葉を浴用料や薬用として利用します。
また、材は粘りがあり、折れにくいので、櫛や印材、杖などに利用されます。
〔栽培〕増殖は接ぎ木によります。
花や幼果が寒害をうけやすいので、冬期に-3℃を下回らない温暖な地域向けの植物です。ウンシュウミカンよりやや温暖な地域を適地とします。
日当たりと水はけのよい肥沃な場所を好みます。
庭植えの場合とくに水やりは必要ありません。
施肥は2月、6月、9月に有機質肥料もしくは即効性化成肥料を与えます。
剪定する場合は8~9月頃におこないます。
10月中旬に摘蕾、3~4月に摘果をおこない、摘果後は果実に袋がけをおこないます。
収穫期に長雨にあうと落果や裂果の原因になります。
病虫害としては癌腫病、灰斑病、さび病、鉢巻病、モモチョッキリ、カメムシ、カミキリムシなどがあります。