植物図鑑
カツラ
カツラ属
カツラ
学名:
Cercidiphyllum japonicum
〔基本情報〕
山地の谷沿いでみられ、高さ30m、径2mにもなる落葉高木。
しばしば株立ちとなります。
樹皮は浅く縦に割れます。
長枝と短枝があり、葉は長枝にはふつう対生し、短枝には1枚つきます。
葉は単葉で長さ・幅とも3~8cmほどのまるいハート形で、掌状の脈と鈍い鋸歯があり、裏面が粉白色を帯びます。
葉柄は長さ2~4cmで赤みを帯びます。
葉は秋に黄葉し、落ち葉は甘い香りがします。
雌雄異株です。
葉の展開前に開花し、雄花・雌花とも短枝につき、花弁も萼もありません。
雄花は30個ほどの雄しべが垂れ下がり葯は赤~赤紫色、雌花には赤い雌しべが3~5個あり、ともに基部に膜質の苞がつきます。
果実は袋果でやや曲がり、先端に細い嘴があります。
種子には片側に翼があります。
〔来歴〕
『万葉集』や『源氏物語』にとりあげられています。
〔利用〕
材は、建築、家具、鉛筆などの材料のほか碁盤や将棋盤にもされます。
京都の葵祭ではフタバアオイとともに『葵桂』という飾りに用いられます。
〔栽培〕
増殖は実生により、とりまきにするか、乾かないよう湿らせた砂などに入れて密閉し冷暗所で保存して翌春に播きます。
日向~半日陰で水はけがよく、適度に湿り気のある肥沃な土壌を好みます。
極端な乾燥を嫌います。
また、潮風や大気汚染に弱いです。
水やりは鉢植えと地植えで植えつけ2年未満の株の場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
地植えで根づいた株では夏に晴天が続いて乾燥しないかぎりは降雨にまかせます。
施肥は寒肥として有機質の肥料を株のまわりに施します。
剪定はあまり必要ありませんが、行なう場合は落葉期に枝抜きをおこないます。
病虫害は特にありません。
〔備考〕
大木となるため天然記念物に指定されているものもあります。