植物図鑑
ヒメヒオウギズイセン
ヒオウギズイセン属
ヒメヒオウギズイセン
学名:
Crocosmia × crocosmiiflora
〔基本情報〕
ヒオウギズイセン(Crocosmia aurea)とヒメトウショウブ(Crocosmia pottsii)の交雑により生じた高さ60~100cmほどの多年草。
地下に球茎をもち、各節からストロン(地下茎)を伸ばして、その先に新しい球茎をつくり、よく増えます。
葉は根生し、長さ60~100cmの剣状で直立します。
花茎は針金状で、直立して高さ80cmほどになり、3~5つに枝分かれし、それぞれの枝に穂状花序がつきます。
それぞれの花序には12~20個の花が、やや茎の一方に偏ってつきます。
花は径3~5cmで、花冠は6裂して橙色~深紅色となります。
雄しべは3本あり、花柱とともに花の外に突き出し、ともに黄金色です。
果実は球形の蒴果です。
〔来歴〕
1879年にフランスのP.L.V.Lemoineによって育成がはじまりました。
日本には明治中期(1890年ごろ)に観賞用に導入されたとされ、現在では人家周辺や海岸の草地などで野生化したものが見られます。
〔栽培〕
増殖はおもに株分けによります。
球根は分球しないので、ストロン(地下茎)の先にできる球根を株分けします。
球根を植え付けるときは株間20~30cm、深さ10cmほどとし、数年間植えっぱなしでも構いません。
実生も可能ですが、花が咲くまで数年かかります。
日当たりと水はけがよい場所を好みますが、非常に性質が強く、どんな場所でも容易に育ちます。
耐寒性は弱いですが、敷き藁などで霜よけをして地中の球根が凍らせなければ、翌年も葉を出します。
寒さの厳しい地域では秋に球根を堀り上げ、貯蔵したほうが無難です。
水やりはよほど晴天が続かない限りは降雨にまかせます。
施肥もほとんど必要なく、与えすぎると茂りすぎて株が込み合い、花つきが悪くなったり、徒長して倒れやすくなります。
病虫害は特にありません。
〔備考〕
旧属名のモントブレチアやトリトニアの名でも流通します。