植物図鑑
バナナ
バショウ属
バナナ
学名:
Musa ×paradisiaca
〔基本情報〕
高さ10mにもなる常緑多年草。
幹のように見えるのは葉柄基部の葉鞘が重なり合って形成されたもので偽茎と呼ばれます。
葉は植物体の発達に伴って次々と展開し、狭楕円形です。
幼苗期から数えて35~45枚の葉が出ると花序が現れます。
花序は偽茎の先に現れ、赤紫色の苞が重なり合って長さ30~60cmになる楕円状円錐形でふつう下垂します。
苞は基部から1個ずつめくれていき、2列に重なった雌花群が現れ、ふつうは単為結実していきます。
この果実群は果段(hand)と呼ばれ、数段~十数段になると、その先には子房の発達しない中性花または雄花のみがつきます。
結実後に株は枯れますが、根元から子株が出て更新されます。
〔来歴〕
有史以前から栽培されてきました。
〔利用〕
果実を食用にし、甘みの強い生食用バナナ(dessert bananas)とでんぷん質が多く甘みが少ない料理用バナナ(cooking bananas)があります。
花序の先につく雄花も野菜として利用されます。
葉は食物の包装や蒸し焼きする際の包み紙として利用するほか、飼料、タバコの巻紙、薬用にされます。
葉や葉柄の繊維は布を織るのに用いられます。
偽茎は一時利用としての建材やパルプ材料、軟らかい芯の部分は野菜にもなります。
根茎や樹液も薬用になります。
〔栽培〕
増殖は吸芽の株分けによります。
生育適温は16~32℃が理想的で、寒冷地や強い霜の降りる地域では戸外越冬できません。
0℃近くまでは耐えますが、冬は室内の日が当たる暖かい場所に取り込むのが安全です。
日当たりと水はけのよい湿潤で肥沃な土壌を好みます。
水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与え、夏と結実期間中は水切れに注意します。
冬は乾かし気味に管理します。
乾燥には弱く、湿りすぎても根腐れを起こすことがあります。
施肥は春~秋に3成分等量の緩効性肥料を施します。
病虫害としてはアブラムシ、ハダニがあります。