植物図鑑
アリドオシ
アリドオシ属
アリドオシ
学名:
Damnacanthus indicus var. indicus
〔基本情報〕
暖地のやや暗い林内にはえる高さ20~60cmの常緑低木。
根は数珠状に肥厚はしません。
側枝は二叉分枝しながら横に広がります。
若い枝には曲がった短い剛毛が密にはえ、2~3年目の枝にも毛は残ります。
節には葉に対して垂直方向に伸びる、長さ7~20mmもある鋭い刺があります。
葉は対生する単葉で、長さ7~20mm、幅6~12mmの卵形となり、先端が鋭く刺状にとがります。
葉は革質で、縁は全縁です。
葉柄は長さ1mmほどです。
花は枝先や葉腋にふつう2個ずつつきます。
花は白色、長さ約1cmの漏斗形で、花冠の先は4裂します。
4個の雄しべの先が花冠からわずかにのぞきます。
花柱は、花によって花の外に長く突き出すものと、突き出さないものがあります。
果実は径4~5mmの球形の液果で、赤く熟し、先に尖った萼裂片が角状に残ります。
〔利用〕
冬にも葉が青々としていて、冬に赤い実をつけることから、縁起のよい植物として、センリョウやマンリョウとともに植えて「千両万両有り通し」と駄洒落て、正月の床飾りなどにされます。
〔栽培〕
増殖は実生、挿木によります。
日向~明るい日陰で水はけがよく肥沃な土壌を好み、強風があたらない場所が適します。
冬は寒風が当たらないようにし、霜が降りる地域では冬は室内の明るい窓際に取り込みます。
夏の直射日光は避け、半日陰で風通しの良い場所に置きます。
水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
多湿になると根腐れをおこします。
施肥は特に必要ありません。
〔備考〕
鋭い刺がアリを刺し通すほどだという意味で名がついたといわれます。