植物図鑑
パパイヤ
パパイヤ属
パパイヤ
学名:
Carica papaya
〔基本情報〕
高さ5~10mになる常緑小高木。
幹や葉、果実を傷つけると白色の乳液を出します。
幹は質がやわらかく、ふつう枝分かれせずに、直立します。
幹には葉柄や実の落ち痕がめだちます。
葉はらせん状に互生し、幹先に集まってつき、ときに葉柄を含めて長さ90cmにもなり、掌状に7~11裂し、裂片がさらに切れ込み、葉脈がめだちます。
葉柄は太く、しばしば紫色を帯びます。
ふつう雌雄異株ですが、両性花をつけ単体でも結実する系統もあります。
気温が十分にあれば周年開花します。
花は白~クリーム色の5弁花で、雄花は葉腋から出る花序に多数つき、雌花はふつう単生します。
果実は液果で、長さ10~45cm、径10~30cmで鈍い5稜がある球形~長楕円形となり、大きなものでは果重10kgをこえる品種もあるそうです。
果実ははじめ濃い緑色でかたく、熟すと橙黄色~黄色くなります。
果肉は橙黄色~紅橙色でやわらかく多汁、独特のにおいと風味があり、内部の中空部分には黒くまるい種子が多数ついています。
〔利用〕
果実は生やドライフルーツなどで食べられるほか、未熟な果実(青パパイヤ)は野菜としてサラダなどに用いられます。
葉を民間薬として用います。
乳液に含まれるパパインというタンパク質分解酵素は肉の軟化剤や洗顔料、薬用などに用いられます。
〔栽培〕
増殖はおもに実生によりますが、挿し木や接ぎ木も可能です。
生長の最適温度は22~26度、最低温度は15度以上必要で、10度を下回ると生育がとまります。
九州南部以南の暖地では露地栽培が可能です。
霜害にあうと葉が落ち、生長点が枯死します。
日当たりと水はけのよい土壌を好みます。
日当たりが悪いと間延びしたり、結実率が悪くなります。
また、土壌が堪水状態になると容易に枯死します。
強風が当たる場所は葉が傷んだり木が倒れたりするので避けるようにします。
水やりは鉢植えの場合は春~秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は乾かし気味に管理します。
地植えの場合は降雨にまかせます。
施肥は春~秋にチッ素分が少なめの肥料を置き肥します。
病虫害としてはうどんこ病、炭疽病、根腐れ病、白渋病、アブラムシ、ハダニなどがあります。