例年、年末年始は夫の実家に帰省していましたが、昨年の1月に脱サラし関東から山口県萩市に移住して初めてのお正月は、帰省はせず、親戚ファミリーを迎えることになりました。
年末年始のお休みに入るまで特段の計画も立てていなかったおせち料理。
できる範囲でできることをしようと、定番メニューをいくつか作りました。
しかし、一般的なおせち料理に使うような食器や重箱はありません。
ありもののお皿にそれらしく盛りつけたものの、なんだかしっくりきません。そこで、わが家(古民家ですが)の玄関前にも生えているナンテン。料理に添えられているのを思い出し、その葉っぱを飾ってみることにしました。
調べてみると、ナンテンには食品の防腐に役立つ成分があり、赤飯に添えられたり、食品の彩りとしてもお弁当に入れられたりすることが多いようです。また、ナンテンという音から「難転」→「難を転ずる」という縁起がいい木とされています。
使ってみるとおせち料理の飾り付けにはもってこいの葉でした。エビ、数の子、里芋、田作り、紅白なます、酢れんこん、かまぼこ、黒豆とお皿に盛りつけ、ナンテンの葉を添えてみました。
都会に住んでいたころは暮らしのほぼすべてが「消費」と切り離せず、食卓に出すものも盛りつけや飾り付けするものも、ほぼ買ってきたものでした。田舎暮らしをして、自分で収穫した食材を並べたり葉っぱや木や花で食卓を飾ることを考えたりしていると、ずいぶんと変わったものだと感じます。
ナンテンは初夏に白い花が咲き、冬には赤い実がなります。この赤い実が鮮やかで美しく、お部屋に飾るのもいい感じ。しかもこの赤い実、いつまでも赤々としていて非常に長持ちします。
あちこちで、門松にも使われていました。
冬の家に彩りを与えてくれる大変ありがたい存在のナンテンですが、それだけでなく、赤い実は咳を沈める成分があるそうで、古来より咳止めとして使われていたそうです。そういえば、「南天のど飴」には何度もお世話になりました。
ナンテンは、西日本や四国、九州で自生しているそうです。
私の住む山口県萩市の川上にはナンテンとユズの自生地があり、国の天然記念物に指定されているとか。こちらは、近々行ってみたいと思います。
ちなみに、ナンテンの西欧での花言葉は「私の愛は増すばかり」。花の季節ではありませんが、葉や赤い実をバレンタインデーの贈り物に添えてもステキですね。
(田舎暮らし イシダヨウコ)
- 前の記事を読む(冬にこそ見てほしい フユイチゴ)
- 次の記事を読む(爽やかに香るダンコウバイ)