冬は、畑の作業が進みます。
山陰の冬はとっても寒いので、動いて汗をかくくらいがちょうどいいのです。真夏の作業は1時間が限界でも、冬なら時間を忘れて草刈りができます。しかし、そんな勢いをとめてしまう厄介者がいます。
気持ちよく畑の作業をすすめていたら、体中のあちこちがチクチク……。気が付くと、体中、ハリネズミのようになっています。
軍手も悲惨なことになってしまいました。
通称「ひっつき虫」。しかし、虫ではありません。
この草の名は、コセンダングサ。
このチクチクの正体は、花が咲いたあとにできる、先端にトゲのある固い果実です。
チクチクのハリネズミ状態になった長靴や衣類を洗濯する前に、一つ一つ手で取り除く作業は、刺さると痛いし、手間も時間がかかるしウンザリ。
ガムテープやコロコロの粘着シートで取れるか試してみたけれど、ダメでした。
こんなことにならないために、秋から冬にかけて、畑に入るときは、必ずツルツルした素材の服を身に着けなくてはいけません。
「野草って役に立つ!」と、これまでに何度か熱く書いてきましたが、コセンダングサだけは、憎たらしく感じてしまいます。
コセンダングサは、9月~10月ぐらいに黄色い花が咲きます。花が枯れて果実をつけるまでは、こんなチクチクはついていません。
調べてみても、コセンダングサをお茶にしたり、入浴剤にしたりするなど、「体にいい」といったような利用方法はなさそうでしたが、草木染めを行ったことがある人を見つけました。落ち着いた茶系だったり、ミョウバンを媒染とすることで鮮やかな黄色に染まったりするようです。
草木染めができるとなれば、少しは好きになれそうです。
草木染めには、茎も葉も花も使えるようです。果実のチクチクがつかない黄色い花の時期にがんばってたくさんとって、草木染めをする! 来年はコレでいきます。
この時期にとってしまえば、草刈りもきっと楽になるはず。
それにしても、この粘着力のハンパないチクチクは、タネを運んで子孫を残すための手段であり、その力がこんなにも強いって、スゴイことかも。この粘着力にあやかりたいものです。
コセンダングサを子孫繁栄のお守りにしたら、最強だったりして!?
(田舎暮らし イシダヨウコ)
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