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「シランです、知らないのではなく紫蘭です」
—ご近所で出会える、初夏の野生ラン—

ゴールデンウィークの散策路で、紫紅色の花穂をつけたランを見つけたら——それは「シラン(紫蘭)」かもしれません。学名 Bletilla striata。本州・福島県以南から九州に自生する多年草で、4月から6月にかけて花を咲かせます。

シラン(紫蘭)の花
シラン(紫蘭) Bletilla striata / 写真: エバーグリーン植物図鑑

名前の由来は、シャレが効いた洒脱さで

「これって何の花ですか?」「シランです」「えっ、知らないんですか?」——とつい聞き返してしまうのが、この花の名前の小気味よさ。エバーグリーンのQ&Aコーナーでも、専門家の方がこんな返しをしていました。

シランです。知らないのではなく、紫蘭です(笑) — エバーグリーンQ&A 専門家回答(2017年6月、質問#602

紫の蘭と書いて、シラン。漢字を見せれば一発で伝わる、けれど耳で聞くと愛嬌のある名前です。

湿った斜面に立つ、縦じわの葉

シランは、日当たりがよく湿り気のある土手などの斜面にはえる高さ30〜70cmの多年草。地下にある偽球茎は扁平な球形で、横に並びます。葉は数枚が根生し、長さ20〜30cm、幅2〜5cmの披針形で、表面に縦じわがめだつのが特徴です。

シランですー。葉に折りたたんだような縦じわがあるのが特徴です。 — エバーグリーンQ&A 専門家回答(2018年4月、質問#1915

Q&Aで専門家の方も指摘するこの「葉の縦じわ」が、シランの目印です。総状花序を出し、3〜7個の花をつけます。花は紫紅色で、萼片と側花弁は長楕円形、唇弁は3裂して5本のひだが入る凝った造形になっています。

ラン科の中でも飛び抜けて広い、適応の幅

シランの用途適性として図鑑に登録されているのは、鉢植え、花壇、公園・庭園、法面緑化、屋上緑化、コンテナ、ベランダ、ハンギングバスケットの8項目。地面・斜面・容器・空中までと、植えられる場面の幅広さが目につきます。

これがどれくらいユニークか、エバーグリーン図鑑のデータで確認してみました。ラン科として登録されているのは454種、そのうち用途適性が登録されているのは47種。用途項目数のランキングでシランは8項目で同率1位(並ぶのは同じくシラン属の「シロバナシラン」のみ)。次点はシンビジウムの5項目、エビネは3項目、と続きます。

とくに「法面緑化」「屋上緑化」を用途として持つラン科の植物は、シランとシロバナシランの2種だけ。図鑑データの中で、シランは「ラン科で最も適応の幅が広い植物のひとつ」と言える位置づけになっています。

育て方の条件は、日照は日向、水分は普通、繁殖は種または株分け。図鑑の利用区分には「薬用」が登録されており、根茎が薬用とされてきた歴史をもつ植物でもあります。

「口紅シラン」と「白花のシラン」も

シランには紫紅色の標準形に加えて、すこし変わった花色のものがあります。Q&Aで専門家の方が教えてくれた情報を二つ:

シランであっています。唇弁の先端が赤いので、口紅シランとも呼ばれます。 — エバーグリーンQ&A 専門家回答(2019年5月、質問#6784
シランの白花ですね。 — エバーグリーンQ&A 専門家回答(2019年5月、質問#7220

図鑑には花の色として「紫」の登録がありますが、Q&Aの専門家の方によれば、唇弁の先が赤い「口紅シラン」、花全体が白いタイプ(図鑑に「シロバナシラン」として独立エントリあり)など、色合いの異なる個体も見られるようです。

4月から6月、シーズンの花

分布は本州・福島県以南、四国、九州(朝鮮南部・中国にも分布)。花咲く季節は4月、5月、6月。連休のお散歩で、紫紅色の花穂を探してみてください。

出典・参考

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