植物図鑑
シュウカイドウ
シュウカイドウ属
シュウカイドウ
学名:
Begonia grandis
〔基本情報〕半日陰~日陰の湿ったところでみられる多年草。
地下に塊茎(球根)をつくります。
茎は高さ40~60cmで、直立して上部で枝分かれし、緑色でやわらかく無毛、節は紅色を帯びます。
葉は互生する単葉で、長さ8~15cmで左右がやや非相称となる心臓形です。
葉の縁には鋸歯があります。
花は集散花序につき、長い花柄で垂れ下がり、淡い紅色です。
雄花と雌花があり、茎の上部に雄花、下部に雌花がつきます。
雄花は花弁状の2個の萼片とそれより小さい2個の花弁からなり、雌花は花弁状の2個の萼片と3個の花弁からなります。
雌花には3翼のある子房があるため、根元が三角錐のような形をしています。
果実は蒴果で3翼があり、うち1つが大きく張り出します。
種子は多数できますが、自然状態では発芽しにくいです。
秋、茎の上部の葉腋にできる無性芽(むかご)が地面に落ちて新しい株となります。
〔来歴〕江戸時代の初期(1620~1640年頃)に観賞用として渡来したものが野生化しています。
〔栽培〕増殖はむかご、葉挿によります。
球根では増やせません。
種子は小さく、発芽しにくいです。
湿り気のある半日陰で、通気性に富み水はけがよく、適度な保水力のある土壌を好みます。
球根は軽く隠れる程度に浅く植えます。
強い日射しが当たると葉焼けをおこし、乾燥すると株が衰えます。
環境が合えば放任でもよく育ちます。
水やりは庭植えで湿り気のある場所では特に必要ありませんが、それ以外では土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
冬は地上部が枯れて休眠するので、防寒などせず、そのままにしておきます。
病虫害としてはアザミウマがみられます。
〔備考〕秋に花が咲き、花色がカイドウに似ることが名の由来です。