植物図鑑
シュウメイギク
イチリンソウ属
シュウメイギク
学名:
Anemone hupehensis var. japonica
〔基本情報〕庭に植えられるほか人里近くや林縁でみられる多年草。
石灰岩地を好む傾向があります。
地下茎が長く伸びて広がります。
茎は高さ50~80cmになり、全体に伏した毛があります。
根茎から少数の根出葉を出します。
根出葉は3小葉からなり、小葉は長さ5~7cm、幅3~7cmで3~5裂します。
小葉には縁に鋸歯があり、小葉柄があります。
茎には葉が2~3枚ずつ輪生します。
茎につく葉は下部のものには短い葉柄があり、根出葉に似ますが、上部のものは小さくてほぼ無柄です。
茎は上部で枝分かれし、茎先に花を単生させる長い花茎を多数出します。
花は径5~7cmの八重咲きで、淡い紅紫色で花びらのように見える萼を20~30枚つけます。
外側の萼は緑色で厚みがあり、絹毛がはえます。
雄しべは多数あり、葯は黄色です。
雌しべも多数あり、細長い柄があり、球状に集まります。
白色一重咲きのものもよく栽培されています。
ふつう果実はできません。
〔来歴〕日本に自生しているものは古くに中国から渡来したものが野生化したものと考えられています。
また、日本で「秋明菊」と呼ばれて栽培されているものの多くは交雑種で、本来のシュウメイギクではないといわれます。
〔利用〕茶花として利用されます。
〔栽培〕増殖はふつう株分け、根伏せによります。
日当たり~半日陰で水はけがよく、やや湿気のある肥沃な土壌を好みます。
日当たりが悪いと花つきが悪くなります。
高温や乾燥に弱いので、株元に直射日光が当たらないようにします。
鉢植えの場合は真夏は日陰に移動し、それ以外は日向に置くようにします。
耐寒性が強く、庭植えの場合は根づいてしまえばあまり手間はかかりません。
水やりは庭植えの場合は極端に乾燥しないかぎり必要ありません。
鉢植えの場合は水切れしないよう、土の表面が乾いたら水を与えます。
施肥は高温期を避け、春と秋に月に1回の置き肥か週に1回の液体肥料を施します。
病虫害としては白絹病、うどんこ病、アブラムシ、ヨトウムシ、メイガなどがあります。
〔備考〕別名のキブネギクは京都の貴船に多くみられることによります。