植物図鑑
ニリンソウ
イチリンソウ属
ニリンソウ
学名:
Anemone flaccida var. flaccida
〔基本情報〕
落葉広葉樹林の林縁や林床にはえ、しばしば群生する多年草。
子葉は1枚だけ出ます。
根茎は横にのび、根出葉を出します。
根出葉は3全裂して、小葉がさらに裂け、表面に白色の斑点があります。
初夏に地上部が枯れる、いわゆる春植物(スプリング エフェメラル spring ephemeral)のひとつです。
花茎は高さ10~55cmになり、茎には葉が輪生します。
茎につく葉は3裂し、表面に白色の斑点があり、葉柄はありません。
花はふつう2個ずつ出て、径1~3cmほどで上向きに開き、花びらのように見える楕円形の萼を5枚つけます。
萼は白色で外側がときに淡い紅紫色を帯びるか、両面とも緑色になります。
雄しべは多数あり、葯は黄色です。
雌しべも多数あります。
果実は楕円形の痩果で毛がはえます。
〔利用〕
根茎を薬用とするほか、若葉を山菜として利用しますが、トリカブトの若葉に似ているため誤って採集した中毒事故がおこっています。
〔栽培〕
増殖は実生、株分けによります。
実生の場合は取り播きとします。
日当たり~半日陰で水はけがよく、やや湿気のある肥沃な土壌を好みます。
日当たりが悪いと花つきが悪くなります。
高温や乾燥に弱いので、株元に直射日光が当たらないようにします。
鉢植えの場合は初夏の葉の枯れるころから日陰の涼しい場所に移動し、それ以外は日向に置くようにします。
耐寒性は強いですが凍結には注意が必要です。
庭植えの場合は落葉樹の下が適します。
水やりは庭植えの場合は極端に乾燥しないかぎり必要ありません。
鉢植えの場合は生育期には水切れしないよう、土の表面が乾いたら水を与えます。
休眠後は乾燥しすぎない程度に与えます。
施肥は春と秋に月に1回の置き肥か週に1回の液体肥料を施します。
病虫害としては白絹病、炭そ病、灰色かび病、アブラムシ、ナメクジなどがあります。
〔備考〕
名は花が2輪ずつ咲くことによります。