植物図鑑
ヒガンバナ
ヒガンバナ属
ヒガンバナ
学名:
Lycoris radiata var. radiata
〔基本情報〕
路傍や田のあぜ、墓地などに群生し、高さ30~60cmになる多年草。
地下に有毒な広卵形の鱗茎をもちます。
葉は根出して、長さ30~40cm、幅0.6~0.8cmの線形で光沢がある深緑色です。
葉は開花後に出て、越冬後、3~4月頃に枯れ、夏の間は休眠します。
鱗茎から高さ30~60cmの円柱状の花茎を伸ばし、先端に散形花序をつけ、数個の花を放射状につけます。
花は朱赤色で漏斗状の6弁花で、花被片は披針形で強く反り返ります。
雄しべと雌しべが長く突き出ます。
果実は蒴果で、種子はほとんどできず、できても発芽しないことが多いです。
〔来歴〕
古くに中国から渡来した史前帰化植物と考えられています。
〔利用〕
鱗茎は有毒ですが、薬用にされます。
また飢饉の時には水に何度もさらして毒を抜き、でんぷんを取り出して食用としました。
〔栽培〕
増殖は分球によります。
数年は植えっぱなしでも大丈夫です。
日当たりと水はけ、水もち、通気性のよい土壌を好みます。
過湿を嫌います。
葉のない休眠中は日陰で乾燥気味になる方がよいので、地植えの場合は落葉樹の下や夏草の間に植え込むのがよいです。
水やりは鉢植えの場合は花茎が出るころから休眠前までは土の表面が乾いたらたっぷりと与え、休眠中は完全に乾かない程度に水やりをします。
地植えの場合は降雨に任せます。
施肥はリン酸、カリ分の多い肥料を花後に施します。
花が終わったら花首のところで折り取ります。
病虫害は特にありませんが、過湿になると軟腐病が出ることがあります。
〔備考〕
秋の彼岸の頃に咲くことからこの名がつきました。
非常に多くの別名があります。