植物図鑑
アカマツ
マツ属
アカマツ
学名:
Pinus densiflora
〔基本情報〕
高さ30m、幹径1.5mにもなる常緑針葉高木。
岩場や溶岩流上などの極端に乾燥した場所や湿地など、他の樹木がはえないような痩せた場所に最初に侵入します。
樹皮は赤みを帯びていて、成長すると亀甲状に割れます。
葉は長さ7~10cmの針形で、2本ずつ束生し、明緑色で、断面は半円状です。
雄花・雌花ともに新しい枝につきます。
雄花は枝の根元の方に多数つき、雌花は赤紫色の小さな松かさ形で枝の先端につきます。
球果は長さ4~5cm、径3cmの卵形で翌年の秋に熟します。
種子には翼があります。
〔利用〕
マツタケがはえるのはアカマツ林です。
建築材や木炭材料の他、樹皮は染料として利用されます。
〔栽培〕
増殖は実生によります。
日本のマツの中でもっとも広い範囲に分布し、かなり寒冷な気候にも耐えることができ、植栽分布は札幌以南となりますが、北海道ではときに寒害を受けることがあります。
日当たりと水はけのよい場所を好みます。
また、根に酸素を好む共生菌がいるので、空気を含む土壌が必要です。
やせ地や乾燥にもよく耐え、土壌がかたくても根を伸ばします。
成木では移植を嫌い、移植すると衰弱して回復しないことが多いのでできるだけ幼木を植える方がよいです。
水やりは土が乾いたらたっぷりと与えます。
施肥は寒肥として緩効性化成肥料を株のまわりに施します。
剪定はあまり行わず、春に伸び出したやわらかい新梢を4~5月に摘む‘緑摘み’と、晩秋、夏に伸びた枝を数本残して古い葉や残りの枝をしごいて落とす‘もみあげ’行うことで樹形を整えます。
クロマツに比べ、樹勢の回復が遅いので強い剪定や過剰な摘葉は避けるようにします。
マツノザイセンチュウによる被害に注意が必要です。
〔備考〕
名は赤褐色の幹に由来します。
別名のメマツ(女松)はクロマツ(男松)に比べてやわらかいことによります。