植物図鑑
モミ
モミ属
モミ
学名:
Abies firma
〔基本情報〕山地の乾燥した尾根などにはえる常緑針葉高木。
幹は直立して、高さ35~40m、直径1.5~1.8mにもなります。
枝が斜上するため円錐状の樹形になります。
樹皮は灰色で、鱗片状にはがれます。
若い枝は淡い黄緑色で短い毛がはえます。
葉は長さ15~30mm、幅2~3mmの線形で、若い木の葉では先が二又になり鋭くとがります。葉の表面には光沢があり、裏面には灰白色の気孔線が2本あります。
花には雄花と雌花があり、雄花は前年の枝の葉腋に1個ずつ下向きにつき、多くの雄しべが円筒状にあつまります。
雌花も前年の枝の葉腋に1個ずつ上向きにつきます。
果実は長さ9~13cm、径4~5cm、灰緑色をした円柱形の毬果で、上向きに直立します。
種子は長さ10mmほどで、翼があり、秋に風で散布されます。
〔利用〕材を彫刻、建築、家具、造船、太鼓の胴や桶などに利用します。
〔栽培〕増殖は実生によりますが、種子は保存しにくいため、とりまきにするか、乾燥しないように保管し、3~4月に播きます。
植栽可能な地域は北海道南部から九州です。
日あたりと水はけがよい肥沃な土壌を好みます。
幼木の時は耐陰性が強いですが、生長するにつれて日あたりを求めるようになります。
地植えの場合は極端に乾燥しないかぎり潅水は必要なく、また肥沃な土壌であれば施肥も必要ありません。
7~8年ぐらいまでは生長がおそく、10年目ごろから大きくなりスペースをとるので、広い場所が必要です。
根が深く、高さ2mを超えると移植が困難になります。
大気汚染に弱いため、大都市には向きません。
刈り込みにも弱いので基本的に剪定はしませんが、邪魔な枝をすく場合は、付け根から切るようにします。
病虫害としてはカミキリムシの幼虫(テッポウムシ)があります。