植物図鑑
サンザシ
サンザシ属
サンザシ
学名:
Crataegus cuneata
〔基本情報〕
ふつう高さ2~3mになる落葉低木。
刺は長さ0.3~0.8cmほどです。
若い枝は紫褐色で、はじめ軟毛がはえますが、のちに無毛となります。
葉は互生する単葉で、長さ2~7cm、幅1~4.5cmの倒卵形、ときに上半部3~5裂します。
葉の基部はくさび形で、葉柄に向かって次第に細くなります。
葉の表面には光沢があり、裏面は脈に沿って軟毛がはえます。
葉の縁には不規則な重鋸歯または鋸歯があります。
枝先に散房花序を出し、白色の5弁花を数個つけます。
花序、小花柄、萼筒、萼に軟毛がはえます。
花は径1.5cmほどの白色の5弁花で、花弁はほぼ円形で基部がわずかに爪となります。
雄しべは20個です。
果実は径1~2cmの球形で赤または黄色に熟し、先端がややくぼんで萼が残ります。
〔来歴〕
中国原産で、日本には江戸時代中頃に渡来しました。
〔利用〕
果実は食べられるほか、薬用にもされます。
〔栽培〕
増殖は実生、挿木、接木によります。
挿木の発根率は非常に低いです。
種子は乾燥すると発芽しなくなるので、熟した果実を収穫して果肉を洗い流してすぐに播くか、乾燥しないよう湿らせたバーミキュライトなどに埋めて冷暗所で保存し、翌年の春に取りだして、播く前にもう一度よく水洗いをします。
発芽までは土が乾かないようにします。
日当たりと水はけがよく、夏の乾燥と西日が避けられる場所が適します。
水やりは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は夏に晴天が続いて乾燥しない限りは降雨にまかせます。
施肥は寒肥として有機質の肥料を施します。
病虫害としてはうどんこ病、黒星病、赤星病、カイガラムシ、アブラムシ、テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)などがあります。