植物図鑑
サツマイモ
サツマイモ属
サツマイモ
学名:
Ipomoea batatas
〔基本情報〕つる性の多年草。
長い茎が地面を這います。
葉は互生し、心臓形~卵形で掌状に深く切れ込むものもあります。
葉の縁は全縁です。
花は径3~7cmの漏斗形でアサガオに似た形をし、淡紫紅色ときに白色ですが、畑ではあまり開花はみられません。
塊根(芋)は、茎の節から出た不定根が地中で肥大したもので、形や色はさまざまです。
〔来歴〕メキシコ~グアテマラに起源があると考えられ、紀元前3,000年以前にはメキシコで栽培されていたとされます。
1492年のコロンブスによる新大陸発見により、ヨーロッパにもたらされました。
日本には1600年代初頭に沖縄~南九州に渡来しました。
関東への普及は享保年間の青木昆陽による業績が大きいです。
〔利用〕塊根(芋)を食用や焼酎・蒸留酒などアルコールの原料とします。
また、塊根やつるを飼料として利用します。
観葉植物としても販売されています。
〔栽培〕栽培型によって異なりますが、通常は5~6月に苗を植えつけ、9~11月に収穫します。
日あたりがよく、通気性に富んで痩せたやや酸性の土壌を好みます。
ひどく乾燥しないかぎり潅水は必要ありません。
肥料が多いとツルばかり伸びて芋が太らない「つるボケ」となるので、肥料は控えめにするか、もしくは施しません。
肥料を施す場合は、最小限の元肥のみで追肥は行いません。
また、窒素分が多い肥料はつるボケの原因になるので、カリ分の割合を多くします。
土を深くよく耕し、水はけと通気性をよくするため、高さ30cmほどの高畝をつくるとよいです。
黒マルチを張ると雑草が防げます。
苗は3~4節が土に埋まるように斜めに植えこみ、植え付け後は、たっぷりと水をやります。
放っておくとつるがどんどん広がっていくので、伸びたつるを地面からはがして節から出ている不定根を切る「つる返し」を定期的に行うと狭いスペースでも育てられます。
「つる返し」は芋ができすぎて養分が分散してしまうのも防ぎます。
収穫は、試し掘りで時期を判断して、天気の良い日の午前中に掘りあげ、日に当てて表面を乾かします。
低温にあたると芋が傷むので、霜が降りる前に収穫を終えます。
病虫害として黒斑病、立枯病、斑紋モザイク病、コガネムシの幼虫、ヨトウムシ、エビガラスズメの幼虫、コメツキムシの幼虫、サツマイモネコブセンチュウ、イモコガなどがあります。