プリムラ マラコイデス

サクラソウ属 プリムラ マラコイデス
学名： Primula malacoides

〔基本情報〕
野生種は標高1,800～3,000mの高地でみられる高さ20～50cmになる多年草です。
耐暑性がないため、日本では夏～秋播きの一年草として扱います。
葉は根出する単葉で、長さ3～10cm、幅2～8cmの卵形で、葉の縁は6～8浅裂し、裂片には歯牙があります。
葉の表面には細かい毛がはえ、裏面には白い粉がつきます。
長い葉柄があります。
花は2～6段つく散形花序につき、花冠は5裂し、さらに先端が2裂します。

〔来歴〕
1884年にJ. M. Delavayによって採取され、ヨーロッパに導入されて、現在までに多くの園芸品種がつくられています。
日本には明治末期に渡来しました。

〔栽培〕
増殖は実生によります。
好光性の種子なので覆土はせず、底面給水にし、夏にまいた種は風通しの良い半日陰で秋まで育成します。
水はけと水もちのよい肥沃な土壌を好みます。
小輪品種は寒風や霜をさける防寒対策をして凍らせなければ戸外越冬可能です。
大輪の品種は寒さに弱く地植えに向かないので、鉢植えにして室内の日当たりのよい場所で管理します。
水やりは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は降雨にまかせます。
施肥は元肥のほか、開花期に肥料を途切れさせないよう、液肥を施します。
花がらを残すと病気の原因になるので、こまめに取り除きます。
花がほぼ咲き終わったら花茎ごと切り取ると、次の花茎がのびてきます。
病虫害としては立枯病、ボトリチス、軟腐病、灰色かび病、ヨトウムシ、ナメクジ、ネマトーダ、根ダニなどがあります。