植物図鑑
ゲッケイジュ
ゲッケイジュ属
ゲッケイジュ
学名:
Laurus nobilis
〔基本情報〕
時に高さ7~18mになる常緑低木または小高木。
葉は互生する単葉で、長さ5~15cm、幅2~4cmの長楕円形~広披針形で、革質です。
葉の表側は濃い緑色で、光沢があり、葉脈がはっきりしています。
葉の縁は全縁でやや波打ちます。
葉には芳香があります。
葉柄はときに紅色になります。
雌雄異株で、雄花序・雌花序とも葉腋に出る散形花序となり、1~4個の花をつけます。
花は淡い黄色で小さく、花冠は4裂します。
果実は径1~1.5cmの卵形~楕円形で黒紫色に熟します。
〔来歴〕
古代ギリシアでは枝葉でつくった冠(月桂冠)を勝利と栄誉のシンボルとして勝者や凱旋した将軍、大詩人に被せました。
ギリシア神話ではアポロンに追われた妖精ダフネの化身とされます。
ローマ時代には葉が万能薬とされ、病人の出た家の戸口にはゲッケイジュの小枝が下げられました。
〔利用〕
葉を料理の香りづけなど香辛料として利用するほか、葉と実は薬用にもされます。
〔栽培〕
栽培品の多くは雄株のため増殖はおもに挿木によります。
実生の場合はとりまきとします。
日当たりと水はけのよい肥沃な土壌を好みます。
大株での移植は好みまず、鉢植えの植え替えも根を傷つけないように注意します。
乾燥に耐えます。
耐寒性はありますが、冬の寒風にはあたらないようにし、越冬温度の目安は-8℃とします。
水やりは鉢植えや地植えにして1年ほどの株の場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
地植えで根づいた後の株については降雨にまかせます。
施肥は地植えの場合は元肥を施すほか、寒肥として有機質の肥料を株のまわりに埋めます。
鉢植えの場合は枝が伸び始める春に緩効性化成肥料を施します。
刈り込みに耐え、厳寒期を除いて、いつでも剪定してよいです。
枝が混むと内側が蒸れるので、枝を間引いて風通しを良くします。
病虫害としてはすす病、カイガラムシなどがあります。