植物図鑑
シャコバサボテン
スクルンベルゲラ属
シャコバサボテン
学名:
Schlumbergera
〔基本情報〕森林の樹上などに着生する森林性サボテンの交配によりできたグループ。
花を観賞する花サボテンです。
茎はよく分枝する扁平な葉状茎で、茎節の縁は円鋸歯~鋭鋸歯となります。
刺はありません。
茎節は長く伸びてくると下垂します。
花は茎節の先に1~2個つきます。
花は放射相称か左右相称形になり、光沢と透明感のある花被片が多くあり、質は薄く、強く反り返ります。
内側の花被は基部が合着して筒状となります。
花の大きさや色はさまざまで、花色は赤、白、黄、ピンク、オレンジなどです。
雄しべは多数あり、花被筒内面に合着するものと雌しべの基部を囲むように筒状をなすものとがあります。
〔栽培〕増殖は挿し木によります。
日当たりがよい場所を好みますが、夏の直射日光に当たると葉焼けをおこすので夏期は半日陰に移動させます。
水はけと通気性のよい用土に植え、春~秋は土の表面が乾いたら水を与え、蕾がつく時期から水やりを控えめにし、冬は乾かし気味にします。水を与えすぎると根腐れします。
春~初夏にリン酸分の多い緩効性肥料または液肥を与えます。
日が短くなると咲く短日性植物のため、近くに街灯などがあり夜も明るい場所では花が咲きにくいです。
冬期は凍結させないよう室内の窓辺などに置きます。
蕾がついた株を移動させると急な環境変化で落蕾しやすいので注意が必要です。
蕾ができる時期でも茎節が成長し続けていると花がつかないので、先端の赤みを帯びた新芽を摘み取ると花芽がつきやすくなります。
病虫害としては夏にナメクジやカイガラムシ、ヨトウムシがでることがあります。
〔備考〕葉状茎の形をシャコにたとえた名です。
日本でシャコバサボテンの名で出回っているものはSchlumbergera ×buckleyiもしくはその親であるS. russeliana(本来のシャコバサボテン)、S. truncata(カニバサボテン)です。
12~1月に咲くものをクリスマスカクタス、デンマークで育成されたものをデンマークカクタスともよびます。