植物図鑑
アシタバ
シシウド属
アシタバ
学名:
Angelica keiskei
〔基本情報〕海辺にはえる多年草。
茎は高さ50~120cmになり、太く、上部でよく枝分かれします。
茎は無毛です。
茎や葉を傷つけると黄色い汁が出ます。
葉は互生する1~2回3出羽状複葉で、小葉は広卵形でさらに裂け、縁には鋸歯があります。
葉はやや厚みがあり、表面には光沢があり、無毛です。
葉柄は袋状にふくらみます。
茎先に大きな複散形花序をつけ、淡い黄色の小さな5弁花を多数つけます。
花序には総苞片はなく、小総苞片が数個つきます。
果実は長さ6~12mmで扁平な長楕円形の分果です。
〔来歴〕八丈島では古くから重要な野菜とされていたことが『大和本草』(1709)に記されています。
また、この島に流罪になった近藤富蔵は『八丈実記』(1848~1860)に栽培法や利用法を詳しく記しています。
〔利用〕茎や葉は食用になりますが、味にクセがあります。
葉は薬用とされます。
家畜の飼料にもされます。
〔栽培〕増殖は実生によります。
半日陰で水はけのよい肥沃な場所を好みます。
真夏の直射日光や風通しの悪いところ、強い暑さでは傷みます。
株間30cmほどで定植し、肥料としては鶏糞や油粕など有機肥料を少量施します。
水やりは土が乾いたら与え、真夏は朝と夕方の気温が低い時間帯に潅水します。
多湿は根腐れの原因となります。
梅雨時は溝をつくって排水するなど注意が必要です。
1年目は株を充実させ、2年目以降に収穫するとよいです。
花が咲くと種子ができて枯れてしまうので、定期的に収穫して花が咲くのを遅らせます。
2~3年目に開花、結実して枯死します。
病虫害は特にありません。
〔備考〕名は「葉を摘んでも明日には新芽が出る」ほど生育が旺盛なことに由来します。