植物図鑑
サクラソウ
サクラソウ属
サクラソウ
学名:
Primula sieboldii
〔基本情報〕
日当たりのよい湿原や疎林内でみられる高さ15~40cmの多年草。
短く太い根茎をもちます。
全体に白く長い縮れた毛がはえます。
葉は根出する単葉で、長さ4~10cm、幅3~6cmの長卵形~卵状長楕円形です。
葉の表面にはしわが多く、縁にふぞろいで浅い2重の歯牙があります。
葉の1~4倍の長さの葉柄があります。
葉は夏前には枯れ、夏の間は休眠します。
高さ15~40cmの花茎の先に散形花序を出し、紅紫色の花を5~20個つけます。
花冠は径2~3cmで5裂し、さらに先端が2裂します。
果実は径5mmで扁球形の蒴果です。
〔来歴〕
江戸時代の中期(1716~1829)に武士階級を中心に園芸的な栽培が本格化し、江戸時代後期(1830~67)になると品種数も非常に増えました。
現存する約300品種のうち半数以上が江戸時代から伝えられたものです。
〔利用〕
根を民間薬として去痰薬に用いました。
〔栽培〕
増殖は実生、株分け、根伏せによります。
水はけと水もちのよい土壌を好みます。
芽出しから開花までは日向、葉が枯れ始めてから休眠中は暑さと乾燥で弱らないように風通しの良い半日陰に置きます。
開花中に雨にあたると花が傷むので、雨除けをするとよいです。
水やりは生育期間中は土の表面が乾きはじめたらたっぷりと与え、休眠中も乾燥しないように注意します。
施肥は元肥としてリン酸とカリ分が多めの緩効性肥料を施し、開花期にうすめた液肥を2週間~1ヶ月に1回施します。
種子を採らないのであれば、花が終わったら花柄ごと切って株を疲れさせないようにします。
病虫害としてはヨトウムシ、ナメクジ、ネマトーダなどがあります。
〔備考〕
花の形と色をサクラに例えた名です。