植物図鑑
オランダガラシ
オランダガラシ属
オランダガラシ
学名:
Nasturtium officinale
〔基本情報〕茎が這うか浮かびながら、水辺や水中に群生する高さ20~50cmの多年草。
茎は中空で、節からひげ根を出して繁殖します。
葉は互生する奇数羽状複葉で、1~4対の小葉をもちます。
頂小葉は卵円形で大きく、側小葉は楕円形で小さいです。
葉の表面にはやや光沢があり、縁は波打ちます。
短い葉柄をもちます。
茎先に総状花序を出し、径1cmで白色の4弁花を多数つけます。
雄しべは6個ありますが、4個が長く2個が短い4強雄ずいとなり、短い雄しべの基部に大きな蜜腺があります。
果実は長さ1~3cmで平らな円柱状の長角果で、中には種子が2列に並びます。
種子は1mmほどの卵形で赤褐色です。
〔来歴〕日本へは明治3~4年頃に導入されています。
食用に栽培していたものが野生化し、各地の川辺や溝などで繁殖しています。
〔利用〕特有の香りと辛味のある若い茎葉がサラダに入れられたり、肉料理の付け合せに用いられます。
ビタミンCやカリウム、カルシウム、鉄分などが多く含まれます。
種子は薬用にされます。
〔栽培〕増殖は実生、挿し芽、株分けによります。
日当たりと水はけがよい砂質土壌を好みます。
耐寒性はありますが、耐暑性がやや弱いため、夏場は半日陰で風通しのよい場所に移します。
冬期は凍結に注意します。
土の表面が乾きはじめたらたっぷりと水を与えます。
鉢植えの場合は腰水潅水でもよいです。
水耕栽培でも良く育ちます。
腰水潅水や水耕栽培の場合は水が傷まないようにこまめに水替えをします。
春と秋に液体肥料を10日に1回与えます。
病害虫としてはべと病、ウイルス病、アブラムシなどがあります。
〔備考〕要注意外来生物に指定されています。