植物図鑑
カマツカ
カマツカ属
カマツカ
学名:
Pourthiaea villosa var. villosa
〔基本情報〕
丘陵地~低山の林内や林縁でみられる高さ3~4mの落葉低木または小高木。
花が咲くころ、若い枝や葉柄、葉の裏面の主脈上、花柄や花序柄に白色の長い毛がはえますが、開花後にはほぼなくなります。
葉は互生する単葉で、長さ4~12cm、幅2~6cmの倒卵形となり、葉先は短く突き出ます。
葉の縁には小さく鋭い鋸歯があります。
葉は短枝では輪生~束生状にみえます。
長さ0.2~1cmの葉柄があります。
枝先に複散房花序を出し、白色の5弁花を10~20個つけます。
花は径1~1.3cmほどで、花弁はまるく、基部に短い爪があります。
雄しべは20個あります。
花序の柄は長さ3~5cmで、果実期にはいぼ状の皮目がめだちます。
果実は長さ0.8~1cmで楕円形のナシ状果で、赤く熟して、甘みがあり、食べられます。
〔利用〕
材は丈夫で弾力があるので、鎌の柄など器具材にされました。
若い芽や果実は食用になり、果実は果実酒にも利用されます。
樹皮、葉は染料になります。
根は薬用にされます。
〔栽培〕
増殖は挿木、実生によります。
種子は乾燥すると発芽率が落ちるので、熟した果実を収穫して果肉を洗い流し、種子が乾燥しないよう湿らせたバーミキュライトなどに埋めて冷暗所で保存し、翌年の春に取りだして、播く前にもう一度よく水洗いをします。
日向~半日陰で水はけがよい土壌を好みます。
水やりは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は降雨にまかせます。
施肥は寒肥として有機質の肥料を施すほか、花後のお礼肥として緩効性化成肥料を置き肥します。
病虫害は特にありません。
〔備考〕
鎌の柄の材料としたことから名がつきました。
ウシコロシという別名は牛の鼻木の材料としたことによります。