植物図鑑
エゾヘビイチゴ
オランダイチゴ属
エゾヘビイチゴ
学名:
Fragaria vesca
〔基本情報〕
道端や草地でみられる多年草。
ふつう走出枝(ランナー)を出し、節から根を出して子株となります。
根茎は太く短く、直立します。
3小葉からなる複葉が根茎の先から3~7個が束生します。
小葉には粗い鋸歯があり、頂小葉は長さ1~6cm、幅1~4cmの卵形~広倒卵形となります。
葉の両面に毛がはえ、特に裏面には密に軟毛がはえて白色を帯びます。
葉柄は長さ3~15cmで毛がはえます。
茎には3小葉からなる複葉または単葉がつきます。
集散花序を出し、1~4個の花がつきます。
花は径1~1.5cmの白色の5弁花で、花弁は円形~倒卵形です。
雄しべは20個あり、雌しべとほぼ同じ長さです。
花柄には長く白い毛が密にはえます。
果実は長さ1cmの卵形で赤く熟し、食べられます。
まれに白色の実もあります。
果実のように見える部分は肥大した花床で、花床表面についている、いわゆるイチゴのつぶつぶが本当の果実(痩果)です。
変異が多く、走出枝を出さないものや四季なり性となるものなどがあります。
〔来歴〕
明治時代に渡来し、北海道に帰化しています。
〔利用〕
実を生で食べたり、ジャムなどに加工します。
葉はハーブティーにされます。
葉や根は薬用となります。
〔栽培〕
増殖は実生または子株の株分けによります。
実生の場合、発芽に光を必要とする好光性をもつので、播種は播種用の用土におこない、土で覆わずに、土を乾かさないよう底面給水をおこないます。
日当たりと水はけ、風通しがよい場所であれば土質を選ばずよく育ちます。
水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
施肥は控えめでよく、地植えの場合は元肥を施せば特に必要なく、鉢植えでは生育具合をみながら春と秋に緩効性化成肥料を置き肥してもよいです。
病虫害として灰色かび病、うどんこ病、アブラムシがあります。
またナメクジやダンゴムシ、野鳥による実の食害にも注意が必要です。