植物図鑑
ユズリハ
ユズリハ属
ユズリハ
学名:
Daphniphyllum macropodum subsp. macropodum
〔基本情報〕山地の照葉樹林内でみられ、高さ10m以上になる常緑高木。
よく枝分かれします。
葉は互生する単葉で、枝先に輪生状に集まります。
葉は長さ15~20cm、幅4~6cmの長楕円形で、表面に光沢があり、裏面は粉白色を帯びます。
側脈は16~19対あります。
葉の縁は全縁です。
葉柄は長さ4~6cmで、赤みを帯びます。
ふつう雌雄異株です。
雄株・雌株とも葉腋に長さ4~12cmの総状花序を出し、小さな花を多数つけます。
雄花・雌花とも花弁はなく、雄花には萼片がないかあってもごく小さなものが1~2個つきます。
雄花には雄しべが6~12個あります。
雌花は子房の基部がごく小さい萼片に包まれ、花柱は2~4個で先端が反り返ります。
果実は長さ0.6~1cmの卵形の核果で、黒藍色に熟して、表面に白粉をふきます。
〔利用〕有毒ですが、樹皮と葉を薬用とします。
新しい葉が開いてから古い葉が落ちるため、世代が絶えることなく続く縁起のよい木とされ、葉が正月飾りにつかわれます。
〔栽培〕増殖は実生によります。
種子は乾燥すると発芽率が落ちるので、熟した果実を収穫して果肉を洗い流し、種子が乾燥しないよう湿らせたバーミキュライトなどに埋めて冷暗所で保存し、翌年の春に取りだして、播く前にもう一度よく水洗いをします。
日当たりと水はけ・水もちがよく、適度に湿り気のある肥沃な土壌を好みます。
乾燥を嫌うので、強い西日や冬の乾いた寒風が当たるなど乾きやすい場所は避けます。
日陰にも耐えますが、日当たりが悪いと間延びします。
水やりは地植えにして1年以内の株の場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、根づいた後の株については降雨にまかせます。
施肥は寒肥として有機質の肥料を株の周りに埋めます。
土が痩せると葉を落とすことがあります。
剪定するとなかなか萌芽しないので、邪魔な枝を間引く枝抜き程度にします。
病虫害は特にありません。
〔備考〕新しい葉が開いてから古い葉が落ちることから名がつきました。