植物図鑑
ハス
ハス属
ハス
学名:
Nelumbo nucifera
〔基本情報〕大形の水生多年草。
水底の土中を地下茎が節をつくりながら伸び、節ごとに葉芽と花芽がつきます。
葉は春に出るものは水面に浮く浮葉です。
夏には水上に長い葉柄をもった葉を出し、秋にやや小さい止め葉とよばれるものを出します。
止め葉が出ると土中の地下茎が肥大しはじめます。
葉は楕円形~円形の単葉で、全縁、葉の縁はやや波打ちます。葉の表面はろう質で水をはじきます。
葉の中央から放射状に葉脈が出ます。
葉柄は丈夫で長く、ときに1.5m以上となり、刺状の突起があります。
花は葉柄より長い花茎の先に単生します。
花弁は倒卵形で普通20~25個あり、桃紅色です。雄しべは200~400個あります。
花床は上面が平らな蜂の巣状で、多数の穴が開き、その穴の中に雌しべがあり種子ができます。
〔来歴〕中国やインドを中心に古くから文化や宗教にかかわりがあります。
日本でも古くから栽培されます。
〔利用〕食用にされる系統と、花を観賞する系統があります。
食用にされる系統では肥大した地下茎をレンコンとして利用します。
若い茎は食用になり、茎の繊維から布が織れます。
葉は蓮葉飯などに利用されます。
花は花茶にされます。
種子は食用・薬用となります。
〔栽培〕増殖は実生、根分けによります。
日当たりがよい粘土質の肥沃な土壌を好みます。田土が適しますが、赤玉土に腐葉土を1~2割混ぜたものでもよいです。
常に水を這った状態を保ちます。ボウフラ予防にメダカ等を一緒に飼ってもよいです。
元肥のほか、春から秋は一か月に一回緩効性肥料を施します。
根分けは新芽をつけた地下茎を2~3節切って、水平に植えつけます。
地下茎を掘り上げる時は新芽や地下茎を傷つけないよう、乾かさないよう注意します。
実生は種皮がかたいため、傷をつけてから水に漬け、発芽したものを植えつけます。
病虫害としては腐敗病、褐斑病、斑点病、白渋病、アブラムシなどがあります。
病気の原因になるため枯れた葉は取り除きます。