植物図鑑
ケスハマソウ
スハマソウ属
ケスハマソウ
学名:
Hepatica nobilis var. japonicaf. pubescens
〔基本情報〕落葉樹林内の斜面でみられる高さ5~15cmの常緑多年草。
匍匐する細長い根茎をもちます。
葉には根出葉と茎葉があります。
根出葉は三角形で浅く3裂し、全縁です。
裂片の先はまるくなります。
葉の表面には軟毛が、裏面には伏した毛がはえます。
根出葉には長い葉柄があります。
根出葉は開花時にも枯れずに残り、根出葉の腋から高さ5~15cmの花茎をのばし、花茎には茎葉が3個、輪生します。
茎葉には葉柄はありません。
花茎と茎葉には毛がはえます。
花は花茎の先に単生し、径1cmで花弁はなく、花弁状の白~淡い紅色に着色した萼が目立ちます。
果実は痩果で金平糖のような形に集まってつきます。
〔栽培〕増殖は実生、株分け、根伏せによります。
種子は取播きにします。
株分けはあまり細かく分けず、自然に分かれるようおこないます。
冬から花の時期には日当たりがよく、葉が伸び出してからは明るい日陰になるような場所で管理します。
直射日光には当たらないように注意します。
地植えの場合は落葉樹の下がよいです。
有機質が多く、水はけと通気性のよい土壌を好みます。
斜面地にはえるため多湿や水が停滞するのを嫌います。
潅水は鉢植えでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
地植えの場合は晴天が続いて乾燥しない限りは特に必要ありません。
施肥は新芽が出るころから花芽がつくまではチッソ分の多い液体肥料、花芽がついてから開花まではリン酸分の多い液体肥料を2週間に1回施します。
また、花後にお礼肥えとして緩効性化成肥料を置き肥し、秋~冬には3成分等量の液体肥料を2週間に1回施します。
病虫害としては、灰色かび病、炭そ病、ウイルス病、白絹病、軟腐病、ナメクジ、ハダニ、ネコブセンチュウ、アブラムシなどがあります。