植物図鑑
オオミスミソウ
スハマソウ属
オオミスミソウ
学名:
Hepatica nobilis var. japonicaf. magna
〔基本情報〕
落葉樹林内の斜面でみられる高さ10~15cmの常緑多年草。
匍匐する細長い根茎をもちます。
葉には根出葉と茎葉があります。
根出葉は三角形で3裂し、全縁です。
根出葉には長い葉柄があります。
根出葉の腋から高さ10~15cmの花茎をのばし、花茎には無柄の茎葉が3個、輪生します。
花は花茎の先に単生し、花弁はなく、花弁状に着色した萼が目立ちます。
萼の色は白、桃、紫、淡青、赤など多彩です。
果実は痩果で金平糖のような形に集まってつきます。
〔来歴〕
江戸時代中期に各地で採集された花変りが人気をよびましたが、品種改良に関する記録はなく、山採りのみを栽培していたと考えられます。
本格的な生産は、昭和末期に主に新潟でおこなわれるようになりました。
〔栽培〕
増殖は実生、株分け、根伏せによります。
種子は取播きにします。
株分けはあまり細かく分けず、自然に分かれるようおこないます。
冬から花の時期には日当たりがよく、葉が伸び出してからは明るい日陰になるような場所で管理します。
直射日光には当たらないように注意します。
地植えの場合は落葉樹の下がよいです。
有機質が多く、水はけと通気性のよい土壌を好みます。
斜面地にはえるため多湿や水が停滞するのを嫌います。
潅水は鉢植えでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
地植えの場合は晴天が続いて乾燥しない限りは特に必要ありません。
施肥は新芽が出るころから花芽がつくまではチッソ分の多い液体肥料、花芽がついてから開花まではリン酸分の多い液体肥料を2週間に1回施します。
また、花後にお礼肥えとして緩効性化成肥料を置き肥し、秋~冬には3成分等量の液体肥料を2週間に1回施します。
病虫害としては、灰色かび病、炭そ病、ウイルス病、白絹病、軟腐病、ナメクジ、ハダニ、ネコブセンチュウ、アブラムシなどがあります。