植物図鑑
ユキワリイチゲ
イチリンソウ属
ユキワリイチゲ
学名:
Anemone keiskeana
〔基本情報〕雑木林や竹林の林縁や林床にはえ、しばしば群生する多年草。
根茎はしばしば紫色を帯び、横に這って広がります。
根茎から1~3枚の根出葉と1本の花茎を出します。
根出葉は3全裂します。
小葉は表面は緑色に白い斑があり、裏面は紅紫色です。
小葉には縁に鋸歯があり、小葉柄はありません。
根出葉は秋に出て、翌年の初夏に地上部が枯れる、いわゆる春植物(スプリング エフェメラル spring ephemeral)のひとつです。
花茎は高さ15~30cmになり、茎には葉が3枚ずつ輪生します。
茎につく葉は無柄で欠刻状です。
茎先に花を単生させます。
花は径3~3.5cmで、淡い紫色で花びらのように見える長楕円形の萼を12~22枚つけます。
雄しべは多数あり、葯は黄色です。
雌しべは10~14個あります。
果実は長さ6mmほどの楕円形の痩果ですが、ふつう果実はできません。
〔栽培〕増殖はふつう株分けによります。
日当たり~半日陰で水はけがよく、やや湿気のある肥沃な土壌を好みます。
日当たりが悪いと花つきが悪くなります。
高温や乾燥に弱いので、株元に直射日光が当たらないようにします。
鉢植えの場合は初夏の葉の枯れるころから日陰の涼しい場所に移動し、それ以外は日向に置くようにします。
耐寒性は強いですが凍結には注意が必要です。
庭植えの場合は落葉樹の下が適します。
水やりは庭植えの場合は極端に乾燥しないかぎり必要ありません。
鉢植えの場合は生育期には水切れしないよう、土の表面が乾いたら水を与えます。
休眠後は乾燥しすぎない程度に与えます。
施肥は春と秋に月に1回の置き肥か週に1回の液体肥料を施します。
病虫害としては白絹病、炭そ病、灰色かび病、アブラムシ、ナメクジなどがあります。