植物図鑑
ミチノクフクジュソウ
フクジュソウ属
ミチノクフクジュソウ
学名:
Adonis multiflora
〔基本情報〕
落葉樹林内にはえる多年草。
太く短い根茎をもち、多数の根を出します。
茎は高さ10~25cmほどになります。
根出葉はなく、茎の葉は互生して3~4回羽状に細かく裂けます。
葉の基部には小さな托葉があります。
葉柄は長いです。
茎先に径3~5cmで黄金色の花をふつう3~4個つけます。
花にはふつう5個の萼片と10~15個の花弁があります。
花弁は長さ1.2~2.6cmほどで萼片より明らかに長く、先端の裏側が赤みを帯びます。
萼片は花弁の1/2~2/3の長さです。
花は日が当たると開き、陰ると閉じます。
花は浅いお椀形をしており、日射しを中心部分に集めて空気を温め、受粉をしてくれる虫を誘ったり、虫の動きを活発にする役割があるのではないかと言われています。
果実は長さ4~5mmで倒卵形の痩果です。
果実には全体に短い毛がはえます。
開花時には茎が伸びず、苞に包まれた短い茎の上に花だけがつき、茎や葉は花後に伸びます。
周囲の木や草が茂る頃には、実を結んで地上部が枯れ、活動を終えるスプリング・エフェメラルです。
〔栽培〕
増殖は実生、株分けによります。
種子は取播きにします。
株分けはあまり細かく分けず、根の間に隠れている芽を助けるように、自然に分かれるようおこないます。
冬から花の時期には日当たりがよく、葉が伸び出してからは明るい日陰になるような場所で管理します。
地植えの場合は落葉樹の下がよいです。
有機質が多く、水はけのよい土壌を好みます。
潅水は鉢植えでは、芽出しから葉のある時期はたっぷりと水を与え、落葉後は乾かない程度に与えます。
地植えの場合は特に必要ありません。
花が終わってから地上部が枯れるまで、液体肥料を2週間に1回、もしくは緩効性化成肥料を置き肥します。
病虫害としては、灰色かび病、炭そ病、ウイルス病、白絹病、ナメクジ、ハダニ、ヨトウムシ、アブラムシなどがあります。